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塩対応で有名な綾崎さんはモブの俺に興味津々みたいです  作者: おとら@7シリーズ商業化


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デートその三

いつだっけな……。


父さんに、なんで母さんと結婚したのか聞いたんだよなぁ。


二人は割と正反対で、母さんは明るいというかうるさいし……。


それにひきかえ、うちの父さんは割と寡黙な人だ。


だから、答えてくれるか心配だったけど……。


その時は、妙に熱が入ってたことを覚えている。



「いいか、和馬」


「うん」


「父さんが母さんと結婚した理由は……ドキドキするとか好きという前提があるが、最終的には一緒にいて楽だからだ」


「楽?」


「この言葉には二つの意味がある。一緒にいて楽しいの『楽』と、一緒にいて心地よいという意味の『楽』だ」


「二つの『楽』……」


「お前も中学生になったからな。もしお前が付き合いたいという女の子ができたら、その事を考えてみるといい。もちろん、学生だから好きだからってだけでもいい。だがそういう子と巡り会えたら、それはとても貴重な事だと覚えておくといい」







……ふぅ、中々面白い。


読み始め、章が変わったので、一度本をたたむ。


顔を上げると……目の前に綾崎さんの顔があった。


「ん、どう?」


「……」


「……無視?」


「ご、ごめん! えっと……」


み、見とれてしまった……!

あまりに目が綺麗だったものだから……。


「とりあえず、紅茶飲む?」


「あっ、いつの間に……うん、頂きます」


どうやら、気づかない間に置かれていたらしい。

それをゆっくりと口に含み……。


「……うん、美味しい。甘すぎなくていいね」


「ん、良かった。ここの美味しい。私、いつも一人でくる大切な場所」


「そ、そうなんだ。よ、良かったのかな? その、俺がきて……」


「ん、大切な友達だから」


……と、とりあえず喜んでおこう。

うん、俺だってまだわかってないし。


「そっか、ありがとう」


「……まだ、答えもらってない」


「……あっ、本の感想だったね。うん、面白いと思う。俺でも読みやすいっていうか……文が硬すぎない感じで」


「ん、こっちも。この間のライトノベルってやつより読みやすい。可愛い絵もあるけど、しっかりと情景描写があって」


「うん、それなら違和感なく読めるかなって……綾崎さんも?」


「ん……これなら君でも読んでくれるかなって」


「そ、そっか……」


「人に本を選んだのは初めて……ん、楽しい」


「お、俺も……」


「友達ってもっと違う事すると思ってた。だから、私には無理だと思ってた」


「あぁ……うん、わかる気がする」


別に他の遊びも楽しいけど、こういうのもいいよね。


……とりあえず、俺は綾崎さんといて楽しいってことか。


そして、言葉通り受け取るなら……綾崎さんも。


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