友達?
三人で屋上に向かう。
よしよし、これで噂も平気でしょ。
お人好しと言われる俺にだって打算はある。
二人きりだから色々と言われちゃうんだ。
三人だったら、女子会に参加した男子って感じで……いけるかな?
屋上に向かい……早速後悔する。
「い、いえいえ! お二人で座ってください!」
「いやいや! 綾崎さんと萩原さんが座ってよ!」
もちろん、萩原さんは教室で食べるつもりだった。
なので、床に敷く物なんか持ってない。
そして……綾崎さんの敷物の上に三人は厳しい。
「ん、問題ない。三人詰めれば平気。和馬君、真ん中に座って」
「ふえっ!? わ、わたし……」
「わ、わかった! 俺が右端! 綾崎さんが真ん中ね!」
「ん、仕方ない。おかしい……こういうシチュエーションが書いてあったのに」
勘弁してくれ! 女子に挟まれての真ん中とか!
そりゃ……貸したライトノベルにそういうのあったけど!
俺が端っこに寄ることで、なんとか三人で座り……。
「ん、今日のお弁当」
「あ、ありがとう。じゃあ、これ……」
「いらない。私が好きでやってることだから」
うーん、困った。
普段パンを買うお金を渡したいんだけど……。
かといって、正直……このお弁当を無しにすることも、ただで食べるのも気がひける。
「えっと、お二人はお付き合いをしてるんですか?」
「ん、してない」
「してないよ!」
……何を俺は、即答されたことに凹んでるんだよ。
自分で友達だって言ったじゃないか。
「そ、そうなんですね。でもお弁当を作ったり、一緒に登下校したり……」
「ん、それには理由がある。彼の生態に興味がある」
「せ、生態ですか?」
「彼は人が良すぎる。その行動は不合理で非効率。私は、その行動原理が知りたい」
そこで、萩原さんの視線が俺に向けられ……。
「な、なるほど……伊藤君、大変そうですね」
「わかってくれるかい、萩原さん」
「ん、早く食べよう」
よくわからないけど、少し萩原さんと仲良くなれた気がする。
話題は、萩原さんの話に変わり……。
「私、お昼一人だったんで……正直言って嬉しかったです。伊藤君も優しいですし、綾崎さんも……その、あの、少し変わってますけど……」
「ん、大丈夫」
「はは……変な人でいいと思うよ」
「君にだけは言われたくない」
俺と綾崎さんが睨み合う。
「クスクス……仲良しさんですね」
「ん、友達……萩原さんも友達?」
「えっ? い、いいんですか?」
よし! 行け! 綾崎さん!
「……ん、問題ない」
「多分、よろしくって意味だと思う」
「……はい、よろしくお願いします……あっ!早く食べないと!」
「そ、そうだった!」
「ん、それは間違いない」
とりあえず、急いで弁当を食べるのだった。




