クロノの知らない話
side.レイラ
目の前で一安心して息子の元に私は行こうとした時だった。
怪我も無い…一撃で何か分からないけど不思議な動きで倒していた。
そんな息子が絶叫をあげた。
そして様子を見てたら力を無くその場に倒れていた。
それを見た私はとても焦って大声を出してしまった。
「クロノっ!」
生まれてから体調を崩す事の無い息子に不思議に思っていたけれど、唐突に倒れるとは思って無かった為に冷静に考える事が出来なかった。
「とりあえず場所を変え無いと」
私は息子を背負い家に向かう。
そして道中に何体かゴブリンが居た。
ゴブリンは始末してそのまま帰った。
ゴブリンは人型だから抵抗があるかもと思い獣にしたのだがこの場面を見られたら…クロノがどう思うか分からないから不安だわ。
「怖がられたりしないかしら?」
しかし、あの木を飛び渡るのはギフトの恩恵なのかしら?
「普通は無理よね…今迄気にすると思って聞かなかったけれどそうも言ってられないかしら?知ってないとギフトにあったサポートもしてあげられないわよね…目覚めたら聞きましょう!」
息子にギフトについて聞こうと心に決めた時家に着いた。
「ユリいる?帰ったわ」
…………居ないようね。
実を言うとユリは正式なメイドという訳では無い。
しかし、獣人を誘拐しようとする人も少なからずは存在するから伯爵家の関係者という壁を作る為にメイドの仕事をして貰っている。よって…余り束縛もされていないのだ。
クロノは本当に我が家に仕えていると思っていそうね。
私がユリを見つけた頃は、もっと痩せていたし毛もボサボサだった。今ではとても可愛いくなってて驚いてるけどクロノが何時もしっぽに触れようとして逃げられて落ち込んでいるのを見るのは本当に面白いわ。
「今となってはユリも家族と思っているからクロノのお嫁さんになってくれたら嬉しいのにね…しっぽ触り放題よ?」
…流石にまだ起きそうに無いわね。
ベッドに寝かせましょうか。
「お休みなさい…クロノ」
ベッドで寝てる息子をしっかり見てから行きましょうか。
寝てる息子を満足する迄見た私はクロノから離れてリビングに行くのだった。