技を磨いて身体を鍛えた。それでも勝てないお姉ちゃん。
あれから【跳断】と【天墜】を何度も練習している。
【跳断】のみなら回数制限は無くなったと思えるくらいには負荷が無くなった。
それにマナリアの調子も良い。
そろそろ実践をしてみたい所だ。
でもまだ5歳…お母さんに頼んでも認めて貰えるか?
そして…お母さんの前で全力出す訳にも行かない。
聖剣技は禁止だろう。
「でも時間が無いんだよな…こっそりバレないように狩るしか無いか」
そ〜と家の中にドアから顔だけ覗かせてお母さんを見る。
「どうしたの?クロノ?」
へ!気付かれたっ!!
「えっとね…お母さん可愛いなぁ〜って思って」
咄嗟に誤魔化した。
「ありがとね。でもそういう子は好きになった子に言いなさい…良いわね?」
ごめんなさい…俺はハーレム希望です。
「はい!」
とりあえず答えておこう。
「また遊んでくるっ!」
「行ってらっしゃい」
これでお母さんはコンプリート!!いざ!
俺は家を出る。そして魔物が居そうな場所を探す。
「あの高台からなら見えるかな?…でも見張りいるよね」
また一難だ。
「お母さんの名前使うと後で報告されるかもしれないし…」
「レイラ様がどうしたの?」
「う〜ん…」
はて?…声掛けられなかった?まさかお母さん以外にこの俺が見つかるわけないだろう。
「レイラ様がどうしたの?」
あ…バレてら。ってこの声はもしかして
「…返事してくれない。私クロちゃんに嫌われちゃった?」
はい確定でーす!
「そんな事ないよっ!そのモフモフは誰にも渡さない!」
「返事してくれたのは嬉しいけど…何言ってるのか分からないよ」
あ…ちょっと理性さんや!
しっかり仕事しろ!
「ユリお姉ちゃん大好きって事だよ」
「私もクロちゃん大好きだよ」
あれ?ハーレム目指さなくても純愛ルートで行きたくなってきた。
ユリルート開拓するのでも楽しそうな件…って結局はヒロイン達に危険迫ってくんだから助けないと!
「後はお姉ちゃんはティア様が居るので私の事はユリとお呼び下さい」
「はーい」
「はいは伸ばしてはいけませんよ」
「はい」
うん…お母さん基本的に愛はあるけど放任主義みたいな感じだからユリは第二のお母さん感ハンパねぇ。