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乱痴気騒ぎ

ラミアルカ、サンドリアと契約したよ。サンドリアはなかなか倒錯した性癖の持ち主だった。

「ラミアルカ、なんだかつやつやしていない?」


「そりゃ初めて繁殖して契約者もできたんだ。嬉しくてつやつやもするもんだぜ」


 気絶したサンドリアを抱きかかえつつ答える。そういうもんか。


 僕らがだべっているとベステルタたちがやってきた。


「終わった? ……すごい匂いね。プテュエラ、ちょっと換気して」


「ああ」


 そんなチャットAIみたいな言い方しなくても。僕の考え過ぎなのかもしれないけどさ。

 ていうか、すまんね、気を使わせて。いい加減プライベートが無くなってきたよね。この洞窟も。この前デイライトに行って家の見積もり忘れたのが悔やまれる。可愛いドジっ子なら許せるけど、ドジ男なんてなんの需要も無いよ。


 それに二人も増えて、一人はかなりの巨体だし。これ寝るときどうしようかな。ベッドの上にはいい加減、乗りきらないもんな。フレイムベアの毛皮を敷き詰めて床で寝るしかないか……。ていうかラミアルカは蛇っぽいけど寒いのは大丈夫なんだろうか。


「サンドリアには優しくと言ったはずですが」


 シュレアが軽蔑のまなざしを向けてくる。うっ。


「い、いや、サンドリアも結構ノリノリだったんだよ」


「言い訳無用です。どうやらまだまだ搾り取る必要がありそうですね」


 うにゅるうにゅると触手を動かす。あれ、最高に気持ちいいんだけど同時に何も考えられなくなるんだよね。もう、この揺りかごで過ごすわって感じ。森林の母性で朽ちていきそうになる。


「ま、契約が済んだのならごはんにしましょうか」


「そうだな、積もる話も……あるしな」


「おう、そうだな」


「ですね」


 サンドリアを抜いた四人がしんみりする。そうだよね、彼女たちは昔いろいろあったらしいし。よし、ここは美味しいお酒とごはんを出して、親睦を深めてもらおう。ラミアルカとサンドリアに好き嫌いはあるのかな? ていうか土を食うって言ってたけどお肉とか野菜食べられるのかな。まぁいいや、それは作りながら考えよう。さっそく、調理開始。


…………


……


「「あははははははは!!」」


「くぴゅぅーい、酒もってこぉーい!」


「ひっく、ケイ、飲みなさい」


 地獄だ。


 四人の仲を回復させようと思って、最初にお酒を多めに出したのが悪手だった。

 みんないざ対面したらあまり話さないもんだから、お酒を進めたんだよ。そしたらどんどん飲んでいって、かぱかぱコップを空にしてあっという間に地獄の酔っ払いが四人も生まれてしまった。今はベステルタとラミアルカがぐるぐるに抱き合って笑いまくり、プテュエラが酩酊、シュレアがジト目でアルハラしてくるという構図になっている。


「サンドリア飲みなさい」


「う、うぷぷぷ、あ、あわわわ」


 がっつり触手にホールドされ飲まされるサンドリア。途中気絶から目覚めたサンドリアと僕だけが素面だ。すまんサンドリア、いっしょに生贄になってくれ。


「だいたいラミイは、昔から突っ走り過ぎなのよ! 正義感振りかざしまくってこっちの身にもなってよね!」


「うるせー! ベステルタだってぐちぐち小言がうるせえんだよ! ほっとけよ! お前はあたしの母親かよ!」


「そうよ! 母親代わりよ! 文句あるのかしら、うぃっく」


「……う、うおおおおお、すまんベステルタああああ、ちゃんと謝っておけばよかったんだあああ、ぐえっぷ」


「い、いいのよ。気にしないで。わたしも言い過ぎたわ。よしよし、ひっく」


 あ、なんか勢いで仲直りしたっぽい。結果オーライだ。やっぱベステルタの方がお姉さんなんだね。ラミアルカが抱き着いて泣いている。この子は王子っぽいし不良っぽいし、なんだか雰囲気がころころ変わるな。ベステルタはそれをよしよしと撫でる。ただ二人ともすっごい酒臭い。


「くぴゅー、そうだぞ、ラミイ、心配したんだぞ」


「ラミアルカがいなくなった後、この二人少し荒れて大変だったんですよ。だから飲みなさい」


「ううう、すまねぇ。オレも素直になれなくてな……。突っ張っちまった」


 そんな感じでプテュエラ、シュレアも正直な気持ちを言った。その都度感激するラミアルカ。うん、良かった。どのくらいの間この四人が会っていなかったのか分からないけど、元に戻ったってことかな。あ、全員で抱き合っている。シュレアも嫌そうだけど機嫌が良さそうだ。


(ねぇ、サンドリア、ラミアルカは君といた時ベステルタたちの話していた?)


 びくっと、いきなり話しかけられて少しびっくりするサンドリア。そこまでおどおどしなくてもよくない? いやでも、さっき少しは仲良くなったはずだし単純に性格なのかな。


(う、うん。はっきりとは言ってないけど。時折遠い目眼をしたり、昔の友達についてほのめかすようなこと言ってた)


(あー、そういのってちょっとさみしいよね)


(そ、そうなんだよ。姉さんはあまり昔のこと言わなかったからな……)


 バカ騒ぎする四人を尻目に二人で静かに飲んだ。お互いに適当に話しつつ酒を注ぎ合う。……なんかお互い、根っこが臆病と言うか典型的な陰キャラだから話が合うな。ていうか波長が合う。無理しなくていい感じ。気疲れもないし。サンドリアもそれを察したのか少しずつ心を開いてくれたような気がする。話していて分かったが、この子常識人だな。いや、基本的に他のみんなにも常識はあるんだけど、性格にクセがありすぎるからな。サンドリアはきょどる以外は落ち着いているし、突拍子のないことも言わない。心安らぐ……。


(ち、ちなみに、ケイも丸呑み好き? 好き? あ、あたし自分の中に誰かがいるのが好きなんだけど、それ誰とも話せなくて、よ、よかったらまたしてもいい? ふひっ)


 ……性癖は一番倒錯しているかもしれないが。返答はOKだが。


「ケーイー、そろそろちゃんとしたご飯出してー」


 なんかよく分からない塊からベステルタの声がする。蛇の尻尾と触手がうねうねしながらもふもふな翼と角が飛び出ている。と四人でひっちゃかめっちゃかになっているみたいだ。


「ラミアルカとサンドリアは初めてだしまずはフレイムベアからでいい?」


「いーぞー」


「げっ、フレイムベア? オレ、苦手なんだよな」


「あ、あたしもあんまし」


 新加入の二人は難色を示す。まぁ仕方ないな。二人はまだ僕が料理を作れることを知らないし、そもそも料理の概念が曖昧だし。いまさら生でフレベ肉食べたくなんてないよ。名状しがたい肉塊、絶対食べたくない。


「まぁ、楽しみにしててよ」


 二人の気が変わらないうちにさっさと作ってしまおう。


 とりあえず王道のガーリックフレイムベアステーキ、玉ねぎ添えを人数分作って並べた。シュレアには野菜サラダもたくさん。


「きたきたあ!」


「酒と肉! くぴっ!」


 むさぼるベステルタとプテュエラ。いっぱい食べる君たちが好き。シュレアはマナーよく切り分けて玉ねぎやサラダを食べている。


「これ、本当にフレイムベアか? だけど、食欲をそそられるのは確かだな……」 


「た、食べてもいい?」


「フレイムベアだよ。僕のスキルで浄化して食べやすくしたんだ。どうぞ食べてくれ」


 おそるおそる肉を口に運ぶ二人。かっと目を見開いた。


「ふ、ふしゅー! これは美味いぞ! 土くらい美味い!」


「な、涙出てきた」


 二人とも感激したように食べ始めた。ラミアルカもプテュエラみたいに感動すると泣き声が出る性質なのね。それより土本当に食べるんだね。ちょっと複雑だよサンドリアはもっと食べて欲しい。庇護欲を誘う。


 その後二人に色々食べさせるとなんとなく好みが分かってきた。


 ラミアルカは肉以外の野菜も好きで、特にえぐい味というか強めの味が好きなようだった。血抜きもそこまでしていない方がいいらしい。今度浄化した血液飲ませてみようかな。もしかしたら完成前のフォレストラーメン好きかしれないな。


 サンドリアは意外にも魚が好きらしい。何故かと訊くと「ま、丸呑みできるから」と恥ずかしそうに答えていた。ペンギンかよ。ただ、内臓が好きらしく全部一緒に食べられる丸呑みが好きなのも納得だ。


 そのあとはみんなで大いに飲み食いし騒いだ。ここは注意する奴なんていないからな。まさに乱痴気騒ぎ。そしてあれよあれよと服を剥がされ乱痴気パーティー。


 僕とサンドリアが静かにしていたら「繁れよ!」と公開プレイを要求された。たぶん、普通の人なら遠慮するだろうし日本ならドン引きだけど、僕はノリノリで要求に応えた。ちなみにサンドリアも「や、やめてよ」と言っていたがむふむふと鼻を鳴らしていた。

 で、それを見て我慢できる四人じゃないから六人対戦モードに突入。もう何が何だかって感じ。よく覚えていないがとにかく幸せだった。途中、役割が足りなくなったのでラミアルカが「オレは構わないぞ」とシュレアに迫っていたのが僕得だった。シュレアはドン引きして逃げたけど押せば行けると思う。


 そんなこんなで夜も更けて、いつまにかみんな寝ていた。

いつも読んでくださりありがとうございます。

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