そっち側かよ
「御主人様、マイアをそろそろ休ませないと明日に響きます」
……んおっ。ルーナの声で我に返った。ああ、マイアが完全に気を失っているな。すごい甘ったるい匂いだ。
「そうだね。よいしょっと」
ぴくぴく痙攣するマイアをそっとどかしてベッドに横たえる。
「御主人様? マイアをこちらに寝かせるのですか? 私が部屋まで運びますが」
「ん? いや、ルーナともしようと思ってるんだけど?」
途端にルーナの顔から感情が抜け落ちた。え、目のハイライトが消えている。怖いよ。いつも無表情だと思っていたけど、この顔を見えるとまだ感情があったんだなって思える。もしかして過去のトラウマでも刺激しただろうか。だとしたら申し訳ない。
いや、待てよ。僕が単に気持ち悪いってことかも。あっあっ、きっとそうだわ。何を今まで勘違いしていたのだろう。
「御主人様、瞳の色が暗くなっていますが……」
ルーナが心配したように尋ねる。僕の目のハイライトまで落ちてしまったようだ。
「ご、ごめん。気にしないで。あと、僕とするのが嫌なら強要しないよ」
ルーナは首を横に振る。
「いえ、そういう意味ではございません。無論私は夜伽を了承していますから問題ないのですが、本当に私と? 見ての通り鬣犬族で、人族の御主人様か見たら醜悪な容姿なのでは?」
ルーナは若干早口に言った。ああ、そういう意味ね。そう言えばはっきりと繁るって言ってなかったからな。冗談か形式上のことだと思っていたのかも。なーんだ、よかった。よし、まだいけるな。まだ僕は嫌われていない気持ち悪く思われていない大丈夫大丈夫。
「うーん、確かに人間とは違うけど醜悪なんてことは全然ないよ。それどころかすごく可愛いし綺麗だし人間には無い魅力があるよ」
「左様ですか」
ルーナの顔色が元に戻った。また無表情だ。持ち直したのかな。
まあ実際、初めて見たときはびっくりしたけど正直全然問題なかった。まさか僕の守備範囲がケモナーにまで拡大しているとはね。亜人たちは顔は人間に近いけど、身体がかけ離れていることが多い。ルーナはその逆だな。と言っても完全に人間の特徴が無いわけではない。瞳や輪郭に人間の名残があるし、本当の獣と比べたら丸く柔らかい顔立ちをしている。
「分かりました。人族の方とは何分初めての為、不足があるかもしれませんが宜しくお願い致します」
そう言うと、ルーナはシャツを豪快に脱ぎ捨てた。
いつも読んで下さりありがとうございます。励みになっております。
昨日投稿した話ですが、冷静に考えてさすがに過激かもしれないな、と思い直したので修正予定です。「100話到達で浮かれていた&最近繁ってないので欲求不満だった(作者が)」が原因です。
ご面倒をおかけし申し訳ございません。
まだまだ話は続きますので、生暖かく見守って頂けると幸いです。
また、ファッキンリアル仕事が忙しくなってきたので、今後16時台の投稿は難しくなりそうです。基本的には木曜日以外の毎日更新はしていくつもりです。
今後とも宜しくお願い致します。




