似非季節
君とハグした時
触れた面積分の
マイナスイオンが
流れ込んできたんだ
都会の雑踏のなかに
君の体積分のオアシスが
僕の涙と溶け合って
皮膚に染み込んだのさ
ひと夏一度のホメオパシーが
最初で最後の経皮毒が
今
似非科学だっていいから
信じさせて
二人の永久機関に雨が
垂らされて
夏がぼやけて
ピントは合わなくて
泣くに泣けなくて
あなたの毒が今
ゆっくりと
体循環
君以外の誰にも
信じてもらえなくていい
嘘だらけの季節が
君のいた季節が
僕だけの夏が今
終わったらしいんだ