夕暮れの教室にて…
いろいろと文がおかしかったりする箇所があると思うのでよろしくお願いします。
「ごめんなさい」
夕暮れの静かな教室に、6文字の言葉が響き渡る。
たった今、俺はふられた。
頭の中で「ごめんなさい」が連呼して聞こえる。
うつむいた顔をあげようとしたが、なぜか窓側を向いてしまう。
“うっ…気まずい…”
窓の外では野球部がランニングをしており、ソフトボール部がキャッチボールをしていた。
サッカー部はどうしただろうか。別のグラウンドにでも行っているのかな?
いや、そんなことを考えている暇はない。
まず、この状況をどうにかしなければならない。
どうすればいい…?
何か話す?
じゃあ何を?
明るい話?
……………………………。
何も出てこない。
ふと掛け時計に目をやると、“4時56分”を指していた。
まだふられてから1分もたっていないというのに体感時間では30分、40分のように感じる。
「…ねぇ」
彼女が突然話しかけてきた。
「…もう帰って…いいかな?」
「あ…あぁ…そ、そうだね…」
素っ気なくかえしてしまった。
「じゃあ私帰るね」
「あぁ、ごめんなこんな時間まで残らせて…」
「うぅん、いいよいいよ。じゃあね、また明日」
「うん、じゃあな」
彼女は手をふりながら足早に教室を出ていった。
「………はぁ」
ため息をつきつつ、近くにあった机に座った。
教室には階段を降りる音とため息の音しかしなくなった。
「大丈夫か?」
突然声がしたので、驚きながら声のした入り口の方を見ると、1人の男が壁に体をもたれかけるようにしてこちらをみていた。
「なんだよタケかよ…」
「そんな驚くなよアキ」
こいつの名前はタケ…ではなく、大倉武人。俺と同じ2年D組に通っている。
タケとは高校1年の始め頃、たまたま会話した内容のアニメで意気投合し仲良くなった。
仲良くなってからか、自分が中学校の時所属していた陸上部で県大会2位になったということを何度も自慢してくる。
何度も何度もうるさいので“ここで陸上しないの?”と聞くと、毎回“俺は恋がしたい”と言うので最近ではそういった話をするのはやめている。
「さっき桐島さんが出ていったけど…まさかアキ、フラレ…」
「フラれたんだよ!!!」
俺はわざとっぽく大声で言った。
「って言うかお前、ずっとドアの後ろで隠れてただろ!」
「あ、バレた?」
「バレるわ!」
漫才のような会話をしつつ、帰る準備をする。
「あ、そうだアキ、さっきのやつ録音しといたから」
そう言ってスマホの画面に映し出された、録音のフォルダを見せてくる。
「は?おい!ちょっ…ちょっと待てぇ!!」
「はははっ、早く来いよ!」
武人が教室を飛び出したので、俺も急いでカバンを肩にかけ教室を出た。
「おーい、こっちこっち!」
階段の方から手が見える。
「あの野郎ぉ!」
武人を追いかけて階段を下りると、長い廊下の向こうにある下駄箱にすでに着いていた。
「おーいこっちだぞー」
「ハァ…ハァハァ……」
元とはいえさすが陸上部。めちゃくちゃ速い。
なんとか下駄箱に着くと、武人が呆れた表情をしていた。
「…お前遅いな〜」
「お前が速すぎるんだよ!」
ちょっと怒り気味に言った。
「まぁまぁそう怒るなよ。音声消すからさ。」
「はぁ?本当か?」
「ただし、ジュースおごってくれたらの話だけどな!」
「………はぁ?……まぁいいや、俺も喉乾いたしおごってやるよ」
「マジで!?やったぁ!早く行こうぜ!!」
スキップで自販機のある方へ向かっていく武人を見ながら小声で“とんだけ嬉しいんだよ”とつぶやき走って追いかけた。
その光景を下駄箱の柱から見ていた女がいた。
「…アキ君………やっぱカッコいい!」
何かメモを取り、書き終えると校舎の中へと消えていった。
どうだったでしょうか…
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