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三十の八
「扇のやつ。水臭いよな。なんかあれば、この大夜さまを頼ってくれてもいいってのに」
と、飛行船発着場へ歩いていき、次に出る飛行船へと向かったところで、
「あ」
「おう」
「おや」
半次郎と泰宗に鉢合わせした。
「扇ですか?」
「じゃあ、お前らもか?」
「あたしはあいつがヤマトに乗り込んだっていうから、積年の恨み晴らしに行ったんだと思ってさ。それなら、あたしにも声かけてくれてもいいのになあって思って」
「考えることは同じでしたか」
「なんだ、泰宗。嫌そうだな」
「いえ、別に」
「まあ、結局、三人揃っちった以上、やることはひとつだな」
「一度に用心番が四人も抜けるのも少々心配ですが。でも、十鬼丸もいますし、藍と槐もいるから、大丈夫でしょう」
「じゃあ、行くか?」
「おうよ。真打は遅れてやってくるってな」




