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「少女」の場合 1
「えっ…?」
ああ、今日もまた来てしまったか…。
私は億劫な気持ちを隠しもせずに
「いらっしゃい」
と言った。
「あ、あの…」
「何?」
「此処はどこですか?」
「今から教えるからそんなに急かさないで頂戴」
はぁ、とため息が聞こえそうな声でそう言った。
「す、すいません…」
少女は蚊がなくような声で謝った。
はぁ、と今度は本当にため息をしてからシェナは説明を始めた。
「ここは黄泉」
「生きる者が死んだ後、魂を循環させる為に、あの世へと行くための道」
「あ、あの…」
「なに?」
「私…死んじゃったってことですか!?」
「…そうよ」
シェナはぎゅっと目を閉じながら非情に言い放った。
少女は信じられないとでも言いそうな顔をしたあと
「うっうわあぁぁぁぁん」
と少女は耐えきれなくなり泣きだしでてしまった。
「ふう」
何度やっても慣れないものだとシェナは思いながら息を吐いた。
そしてシェナは少女が泣き止むまで目を閉じながらじっと待った。