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落ち目領地とハーフな双子  作者: 鈴神楽
二年目 ソーバトを盛り上げよう!
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087 魔法の理屈と発動の実習

カーレー達には、楽勝な魔法実習

「カーレー、魔力籠めの様な事は、絶対駄目ですよ」

 ターレーお姉ちゃんから再三注意を受けてあちき達は、送り出された。

 午前中の魔力籠めの授業を合格した物だけが受けるられる実際に魔法を使う実習です。

 教室には、あちきとサーレーしか居ない。

 まあ、午前中の実習で合格したのあちき達しかいないのだから当然だけど、広い教室に二人だけというのは、違和感があった。

 教室で待っていると先生がやって来た。

「お待たせしたかな、私の名前は、オーナー=バーミン、君達の母親とは、従姉弟に当たるね」

 挨拶を始めようとするあちき達に対してオーナーさんは、ざっくばらんにいって来る。

「あいさつは、良いよ。それより、早速始めようか。初年度は、何でも良いから自分の持つ属性の魔法を一つでも発動させられたら合格って事になってるけど、マーナー兄さんからは、良い機会だから全属性を使えるまで指導してやれって言われてる」

「それって良いんですか?」

 サーレーの質問にオーナーさんがあっさり答える。

「他の生徒が居たら色々拙いだろうけど、居ないから良いんじゃないか?」

 あちきが手を上げる。

「あのーターレーお姉ちゃんからやり過ぎるなって釘刺されているんですけど」

 オーナーさんがうんうんと頷きいう。

「そっちの事情は、なんとなく解るけど、君達は、やれるんだったらぱっぱとやりたいだろう?」

 あちき達が即座に頷くとオーナーさんが口に指を当てて言う。

「ここだけの事にしてやってしまおう」

 反対する理由が特に無かったので、その言葉を受ける事にした。

「魔法の基礎は、もう座学で教わったと思うけど復習だ、言ってみな」

 サーレーが直ぐに答え始める。

「魔法は、力の源の魔帯輝、形を作る呪文、構成になるイメージ、発動させる魔力の四つの要素から成り立つのですよね」

 オーナーさんは、頷くと続ける。

「その通り。だから魔法は、魔帯輝を揃えて、決められた呪文を唱え、ちゃんとしたイメージが出来、必要な魔力があれば発動する解るね?」

 あちき達は、頷くとオーナーさんは、紅淡の魔帯輝を取り出す。

「それでは、早速やろう。一番基本の魔法、火現だ。火を生み出すだけで呪文も簡単だ、火って言うのは、イメージし易い。そんな事もあって、初年度は、紅の属性を持つ子が有利になり易いんだよね」

 そういって呪文を教わり、あちきは、火をイメージしながら呪文を唱える。

『新の神の御名の元、火を在れ、火現ファイア

 あっさりと火が出て成功だ。

 簡単な魔法ならターレーお姉ちゃんとも使っていたので別に不思議じゃなかったが、オーナーさんは、拍手をしてきた。

「凄いぞ。一発で成功させるなんて。もしかして事前にやっていたな?」

 あちきが頷くとオーナーさんが苦笑する。

「それは、他で言わないことだ。一応、学院で教わるまでは、魔法は、使っては、いけない事になってるからね」

 失敗したかもと思った時、サーレーが口にする。

「しにたいのルールですよね? そうでなければターレーお姉様が許すわけありません」

 オーナーさんがあっさり認める。

「ああそうだ。それでも、言っておくけど凄いのは、本当だ。初年度で発動すれば合格というのは、発動させるだけでも難しいからだよ」

 何が難しいのかいまいち解らない。

 サーレーも発動に成功させたので尋ねる。

「これの何処が難しいんですか?」

 オーナーさんは、肩を竦める。

「正直、私にも実感が湧かない。うちの家系連中やターレーも実感が無かっただろうしね。でも、普通の貴族達は、呪文は、ともかくイメージの構成と魔力による発動が上手く行かないらしい」

 実感が湧かない答えに首を傾げているとオーナーさんが続ける。

「イメージと魔力での発動は、練習すればある程度は、出来るようになるけど才能に左右される所が大きいからね」

 それを聞いてサーレーが口にする。

「確か、魔法研究では、努力の呪文、才能のイメージって言うんですよね?」

 オーナーさんが頷く。

「そうそう、ついでに言えば執念の魔帯輝や天性の魔力っていうのもあるけどね」

「執念の魔帯輝って何ですか?」

 あちきの疑問にオーナーさんが苦笑する。

「魔帯輝の組み合わせなんてある程度の法則があるけど、実際やってみなければ駄目な部分が多いからね、細かい調整をしながら何度も何度も繰り返す、根性と財力が必要される、まさに魔法を完成させる執念が必要って事だよ」

 魔法研究って大変そうです。

「それじゃあ、取敢えず合格は、したけど、このまま他の属性に行こうか」

 オーナーさんが軽く言い。

「はーい」

 あちき達も軽く応じて、次々とこなしていく。

 気付くと全属性が終わっていた。

「うんうん、立派立派、それじゃあ次は、複数属性でもいってみよか」

「はーい」

 今度も気楽にいって気楽に答える。



 そんなこんなで色々やっていた。

「次は、三属性合わせた奴だな」

 オーナーさんが魔帯輝の準備を始め、あちき達も答える。

「はーい」

「はーいじゃありません!」

 入り口から声が響く。

 そして、開けた入り口を閉じて、ターレーお姉ちゃんが近づいてくる。

「言いましたよね? やり過ぎないようにと?」

 あちきが視線を反らしてサーレーが責任転換を始める。

「オーナー先生に無理やりやらされました」

 ターレーお姉ちゃんがオーナーさんを見る。

「オーナー叔父様、私の時も同じことしようとしましたよね?」

「そうだったかな?」

 オーナーさんも視線を反らすって事は、身に覚えがあるんだ。

「指導に熱心なのは、いいですが、物事には、限度というのがあります!」

 怒るターレーお姉ちゃんにオーナーさんが反論する。

「そうは、言ってもこれ程までの才能を育てないなんてミハーエにとっての損失だよ。学院で教師をしている者としては、それは、出来ないよ」

 ターレーお姉ちゃんは、少しその表情を見てから告げる。

「本音は、どうなのですか?」

「凄い才能だったから羽目外しました」

 あっさり謝罪するオーナーさんでした。

「とにかく、合格したのですから帰りますよ」

 ターレーお姉ちゃんに促されて帰ろうとするとオーナーさんがいって来る。

「きっと実習もあっという間に終わって暇になるだろう。そしたら私の研究室に来ると良い。色々と教えてあげるよ」

 あいさつをして教室を出て、寮に戻ったあちき達もやっぱりターレーお姉ちゃんにとことん説教されました。

オーナーさんは、学院でサーレーと色々やる事になる人その一です。

ここで出てきた執念の魔帯輝ですが、今後、大幅に変わる事になります。

次回は、魔法具を作る実習です

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