1話 いつもの日々、いつもの時間
――私立白雪中学高等学校
そこは私、鶴見朱里 の通う学校。
別にそこまで頭がいいわけでもないし、かといって悪くもない。まぁ、私には夢もないし、どうってことないんだけどね。
今日も学校が終わった。今日は朝からテストがあったから疲れちゃった…。
帰りは、いつも友達と帰っている。
「朱里、テストどうだった?」
と、友達が聞いてきた。
「ま…まあまあだったかな…?」
私は勉強が好きなわけでもないし、得意でもない。この世に勉強が好きな人なんていないんだろうと思ったりする。
「あたしは全然だめだったよ…!朱里は点数いいんだろうなぁ…」
「そんなことないって!あ、あんたも頭いいんだからさ?嫌味になっちゃうよっ!」
私の友達は頭がいい。……当の本人は認めてないけど。
この世に魔法とか、魔術があればいいのに、なんて思ったりするんだよね。そうしたら、成績なんて簡単に上げられるよね。そんなことあるわけないんだけどね。
「また明日ね!」
「バイバイ!」
分かれ道で友達と別れ、しばらく一人で歩いていった。今日は寄り道しないで帰ろう。
歩き始めて少したったとき、耳鳴りがした。まぁ、大したことないからまた歩き出した。家に着くまでに治るよ。
そして、また歩いてしばらくしたそのとき、
「うッ……!!」
頭がぐらぐらし、しゃがみこんでしまった。
「こんなところでこんなことしていられない…!!」
そう思って立ち上がろうとしたとき、さらにひどい頭痛に襲われた。今度は倒れてしまった。
目の前が白々とし、だんだんと意識が薄れる―
「誰か…。」
そして、完全に目を瞑った。
「ようこそ、選ばれた者。私は×××。」