オンリーワンにも成れない僕
ナンバーワンでなくても良い
オンリーワンに成ればいい
そう言う人がいる
だけど僕は思う
ナンバーワンは目指せるけど
オンリーワンへの行き方は分からない
ナンバーワンは一番に成ればいい
駆けっこでも、勉強でも
絵でも、歌でも、ダンスでも
ナンバーワンになる機会は意外といっぱい転がってる
だけど、オンリーワンはどうすれば成れるの?
一番になっただけじゃダメ
駆けっこでも、勉強でも
僕は同じことをやっている、同じ様な人間の一人でしかない
その他大勢でしかない
僕の代わりは一杯いて
数えるのも嫌になるくらい沢山いる
皆、同じ様に生まれて、同じ様に育つ
同じ様に学んで、同じ様に生きていく
それぞれに違いはあるけれど
それは小さな誤差でしかない
その、卵の表面よりもツルツルな差異を人は個性と呼ぶ
個性なんて平均からはみ出した寝癖のようなもの
寝癖のある奴は笑われる
それじゃあ一体、僕がここにいる意味は?
僕が今死んでも、世界は歯車一つ狂わない
だって、誰も僕のことなんか見ていないんだから
僕がこうしている間にも、人は生まれて死んでいく
世界のどこかで死んでいく
僕はそれを知っている、だけど僕は人を知っていない
僕は思う
本当は僕は必要ないのでは?と
だから僕らはオンリーワンを目指すのだ
それが例え幻想であったとしても
夢見がちな人の狂言であっても
偉そうな学者の持論であったとしても
自分が生きている意味を、僕らはオンリーワンに求める
自分は人とは違う
自分は特別だ
そう思う人ほど、実はオンリーワンではあり得ない
だって、そんな人達は今の自分に満足しているから
他人と違うところを探したり
自分だけの特技を伸ばしたりしようとしないから
自分はダメだ
生きている意味なんて無い
そう思う人こそがオンリーワンになり得る
だって、自分に自信のない人は何時も他人を見ているから
他人を見て自分を見つめられるから
オンリーワンは誰でも成れるものではない
謙虚な努力家の一握りが得られる勲章なのだ
だから僕らは、オンリーワンを目指すのだ