はじめに(はじめ、とはそもそも何だろう)
「はじめに」を書くにあたって私はこの書き物のジャンルを選択せねばならない、という壁に当たった。
ジャンルと言われても、私は自身の考え―――簡単に言えば、自身がこうありたいという澱のように積み重なった思い・思想―――がどのような外見をしているのか、全くもって分からないのであるから、それを選択することは不可能である。
以上考え方に、私は存外早く辿り着いた。普段ならば、ここまで思い付くのにもっと時間を要していたことだろう、と思う。
書き物をする中で、嬉しいと思える瞬間はこうした「普段思考する類のものの一段上の考え方」に、一段飛ばしで到達することができる、という事象だろう。
しかし、こうした「突発的に発生した喜びを孕んだ」成果そのものを書き物、あるいは私の人生観としての生々しい・薄皮一枚下にある烈火色をした肉を覆うものとして解釈することは、あまりに「解釈」という概念を「解釈せん」として考えた末、現れた短絡的思考の結果に過ぎないとも思うのだ。
これまでの人生の中で得た様々な知見―――ある時は六畳と学舎を、またある時は九畳とワーキング・プレースとを直行直帰歩んだ末路に得た・拾い集めた繁雑でグズグズに腐った―――結果として、遂に(この表現も成る可くなら行いたくなかったが、現・私にはこれ以上に適った表現を行うことができないため、こういう書き方をする)手中に収まるであろう人生観のようなものの本質の皮膚を剥ぎ、肉を仕分け、無数の血管をカキワケカキワケ―――その先で見つけられるであろうそれに、ほんの少しでも触れることを目的とした何かである。




