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両親のお葬式の日。

弔問客の中に、わたしのことを見つけて名刺を渡してくれた人がいた。

「必要になる時が来るかもしれないので」

ということば付きで。


最初は誰か分からなかったが、両親が生きている時に一度だけ家に来ている気がした。

たしか、オークションの主催者で落札した宝石のアフターフォローについてを父と話し合っていたと思う。


たった一回買っただけなのにわざわざ弔問に来るなんて律儀な人だとその時は思った。


――――――――――――――――――――――

他に頼る術もないわたしは、一度名刺を渡してくれた人を頼ってみることにした。


インターホンを鳴らすと目的の人物が出てきてくれた。


こちらが名乗る前に事務所の中に案内される。

椅子に座るよう促される。


目的の人物は事務所の奥に行き、金庫を開けて封筒を持ってきた。


わたしの正面に座ると、封筒から紙を出す。

中身はどうやら2枚あるようで、わたしの前に置かれる。


名前:

性別:男

生年月日:19XX年X月XX日

年齢:**

宝石化した臓器:舌

死因:多臓器不全

付けられた値段:5000万

購入者:

売買日:20XX年X月XX日

宝石としての魅力:極めて状態が良い。舌の全てに鱗がついており、フル・ジュエルとなっている。鱗一枚一枚が異なる輝きを放つ。

用途:水が侵入しないように処理をしオブジェとしてアクアリウム内に設置


名前:

性別:女

生年月日:19XX年X月XX日

年齢:**

宝石化した臓器:肺

死因:多臓器不全

付けられた値段:1580万

購入者:

売買日:20XX年X月XX日

宝石としての魅力:クォーツのようなジオード。透明感がある。断面が非常に滑らかである。

用途:右肺は、インテリアとして玄関に飾られている。左肺は細かく割られ、パワーストーンとして配布された。配布先を全て把握することは不可。判明分のみ以下に記載。





そこには、間違いなく両親の名があった。

どういうことか分からずいると、オークションの記録だそうだ。


自分たちも宝石を買っていたのだから、こうなるのも仕方のないことだろう。


しかし、なぜ、両親だと分かったのだろうか。

そのまま疑問を口にすると、表情一つ変えずに教えてくれた。


――以前、私の主催するオークションで落札されていましたので購入者としてお父様の名前が残っておりました。そして、先月開いたオークションで同じお名前の方が今度は出品されていた、というだけにございます。



確かに、購入者の名前も載っている。

父の名前は少し特徴的だが、扱っている量を考えると覚えているというのはこの人の静かな熱を感じさせた。


わたしは、お礼を言い事務所を後にした。


幸いにも、両親の宝石を買ったのは知った名だった。

返してもらうつもりもない。

ただ会いに行こうと思う。


―― ページ2 ――

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