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ページ1-3

聞き込みをしたが誰もそんな話を聞いたことはないと言っていた。

そうだろう。

もしそんなことが行われていたら国中で大騒ぎになっているはずだ。


でも、あの軍のやつが嘘を言ったとも思えない。

全てが行き詰まり、もう一度軍に話を聞くことにした。


しかし、門前払いを食らってしまった。

迷惑な遺族として出入り禁止にされていた。


守衛に何とか話せないか詰め寄るが全く相手にされない。

食い下がって名前を出しても、軽く手であしらわれるだけだった。

それでも、その場を離れずに次の一手を考え続けていた。

その時、一台の車が入ってきた。

守衛が、身分証を確認して簡単に通していた。

だけど、違和感があった。


運転手は軍の関係者には見えないほどやせ細っていたからだ。


一度気になると頭から消えない。

どんな些細な手がかりでも欲しかった僕は、その車が軍から出ていく時に後をつけることにした。


行き先は町外れのビル。

どんな企業が入ってるのかも分からないビル。


さすがにビル内に入ることには気が引けたので、そのまま外からビルを見張ることにした。


何も起こらずに時間が過ぎていくかと思ったが日が傾き始めた頃、様子が変わる。


このビルには似つかわしくないほど高級な車が何台もビルの影に入っていく。

1台や2台じゃない。何十台も。

降りてくる人たちもみんな身なりがいい。


おかしい。僕の直感がそう言っている。


意を決してそのビルに入る。

ここに来た人たちはどうやら最上階にみんな向かっているようだ。


ラフな格好の僕は浮いているが、周りの人たちは僕になんか興味もないようだ。

気にせずに着いていった。

最上階に着くと雰囲気が一変した。


ビルの外観からは想像がつかないほど豪華なホールだった。


ふかふかの椅子達が並び、壁にはさまざまな絵が飾られている。

いったい何が始まるのか全く予想がつかない。


なるべく目立たないように、でもすぐに逃げられるように出口に近い端っこに座り始まるのを待った。


周りではよく分からない会話が繰り広げられていた。

“はい”や“した”がほしいとか。犬の首輪に水晶を付けたってのも聞こえてきた。


30分後、司会者が登場すると会場の熱気がまた一段と高まる

コンサートだろうか、と呑気に思っていたら出てきたのは、眼、だった。


間違いなく人の眼だった。

見間違いかと思っていたところに司会者の声が聞こえた。

「まずは、こちらピンクの宝石眼になります。3X歳、女性の右眼になります。やや濁っておりますが珍しいお色のため500万からになります。それでは開幕です!」


間違いなく人の眼と言った。

それをオークション形式で売っているのか?

理解できずにいると、どうやら誰かが落札したようで歓声と拍手が起こった。


次々とかつて人だった宝石達が落札されていく。

これは現実なのか分からずにいたところに、ついに知りたくなかった答えが出た。


「次は、爪の水晶です。X2歳、男性。足と手の20本分、まとめて10万から」


爪がオークションにかけられた。

その場にいられずに思わず飛び出した。

どうやって帰ったか分からないが、気づいたら家のトイレで吐いていた。


信じられなかった。信じたくなかった。

でも目の前で人だったものが売られていった。

地獄のような場所だった。


でも、これで確信した。

彼女の爪はまだどこかにあると。

彼女との約束は果たせると。


だから僕は次の日から彼女の爪の行き先を探した。

オークションで売られるならすぐ見つかると思っていたが甘かった。


まず、オークションの開催情報を手に入れるのが難しい。

次にオークションを主催している人と話すのが難しい。

そして、そもそもオークションで売った宝石の記録をつけてないし、軍から宝石を買い取る時に教えてもらうのは年齢と性別だけらしい。

他は売るのにいらない情報のようだ。


そのことを知るまで1年以上かかった。

もうダメかもしれないと諦めようともした。

でも、彼女との約束を果たすべく他に手はないか探し続けた。


すると、こんな噂を聞いた。

とあるオークションの主催者が今まで売った宝石のことを全部記録している、と。


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