ストーンの内情と新たな仲間
ゴブリンの巣を破壊してから2日後のこと
ビクトルはストーンの本部に来ていた。
「ほんっっっとに凄いよね!ビクトル君は!
ゴブリンキングどころかエンペラーを
討伐だなんて!私も鼻が高くなっちゃうよ!」
団長のミュウがずーっと俺を持ち上げてくる。
正直嬉しいが。
『アルスと力を合わせた結果だからな』
実際アルスがいなかったら、身体強化をあそこまで
引き上げるのは難しかった。
『そういや、アルスと他の二人は?』
「二人は長期出張状態で、一人はエメラルド、
もう一人はダイヤに派遣中だよ。」
『エメラルドはサファイアやルビーと
そう変わらんが、ダイヤに行ってる奴が
いるのか?』
ダイヤは上から3番目の序列に位置する団で
サファイアやルビーとは実力も一線を画す。
「そうなんだよ、ずっとダイヤから呼ばれてる
みたいなんだけど、団を移るのは嫌みたいで
だけど、訓練になるからと応援には行ってるよ」
へぇ、いつか手合わせを願いたいな。
「でもね、単純な強さだけならエメラルドに
行ってる子の方が強いかな?」
『へぇ、ストーンって序列では最下位だけど
実力はあるんだな、入れ替え戦で
結構良い所まで行くんじゃ無いのか?』
ミュウは少し遠慮がちに笑顔を作って
「そう、なんだよね。ただ、入れ替え戦に
そもそも出られないんだけどね。」
『なんでだ?こんだけ実力があるなら
出られるだろ?』
「あまり知られてないルールがあって
一つの団から6人以上の出場で
参加資格が与えられるんだけど、、、」
『なるほど、4人しかいなかったから
そもそも出られなかったと』
ミュウは瞳を輝かせて
「そうなんだよ、でもビクトル君が来てくれて
5人!あと一人いれば参加できるんだ!」
『あと一人か、なかなかストーンに配属される
ってのは無いからな。そんなのが
都合よく現れれば良いけどな。』
そんな話をしていると、本部の扉がゆっくり開いた
「すまない、ビクトルに用事があるのだが?」
そう言って姿を見せたのはルビーチームの
リーダーっぽい奴だった。
「あー!あなたルビー団のNo.4!シーズじゃない
ビクトル君に何か用?」
リーダーっぽい奴、もといシーズは口を開いた
「ルビーをクビになった、行く所もないので
ビクトルを探して勝負してもらおうと
思ってな。」
『勝負?俺と?』
シーズは不適な笑みを浮かべて
「そう、お前とだ」
ミュウが何やら魔法を発動しながら
話し始めた。
「ビクトル君が良いって言うなら止めは
しないけど、やめておいた方が
いいんじゃない?数値が違いすぎるよ」
『数値とは?何かその展開している魔法に
起因しているのか?』
シーズは全くわからないような口ぶりで
「魔法を展開?何のことだ?」
ミュウが笑いながら答える
「シーズ、この魔法を見破れる実力の持ち主と
そうで無い人が戦うのは、ちょっと忍びない
わね。
ビクトル君、私は魔法で相手の強さがある程度
数値としてわかるの、勿論相性なんかもあるし
数値が絶対では無いんだけどね。」
鑑定とはまた別の物なんだろうな
『で?あいつの強さはいくつなんだ?』
「あいつの強さは23ね」
高いのか低いのかよくわからんな
『俺の強さはいくつなんだ?』
ミュウが笑顔で答える
「1056よ」
『は?あいつがいくつで俺がいくつ?』
「シーズが23で、ビクトル君が1056よ」
なんだそりゃ、桁が全然違うな、なんか間違えて
ないだろうか?
「間違えじゃないわよ、ちなみにアルスは
416よ」
『団長はとても稀有な能力を待ってるんだな』
「何をベラベラと話しているのだ、決闘だ!」
俺は笑顔で
『いいぞ!』
「よし!後悔するなよ!!」
三人で訓練場へ移動し決闘開始
「はじめ!!」
ミュウの声で決闘がスタートした。
「おりゃあああ!!」
シーズが片手剣を振り上げ突っ込んで来た
俺は敢えてそれを受ける。
ガッ!
お互い木剣なので鈍い音がする。
そこからシーズの猛攻が始まる。
「どうした!手が出せないのか?」
どんどん攻撃を放ってくるが
全て受け切ってやる。そして。
『今度はこっちから行くぞ。』
ビュン!ピタッ!
木剣はシーズの喉元で止まっている。
「勝負あり!勝者ビクトル君!」
「くっそー!!こうなったらお前に弟子入りだ!
ストーンに入隊させやがれ!」
『ミュウ、どうなんだ?6人目だし
なんだかんだやる気はありそうだぞ?』
ミュウは嬉しそうに
「いいよ!じゃあ入隊手続きしておくね!」
「望む所だ!明日から来るからな!」
元気にシーズは去っていった。
こうして6人目が入隊したのだった。