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左遷されました

俺はビクトル=マクスウェル、

平民上がりの騎士団員だ


騎士団って言っても色々あって

ゴールド、プラチナといったチームは王家に近い

業務をこなす。

一方でストーン、ロックといったチームは

いわゆる落ちこぼれ、雑務を任される。


俺は今この瞬間、サファイアに属していて

平凡な騎士生活を送っていた。


しかし次の瞬間俺はストーンへの左遷を

命じられた。


時は少し遡り

団長のキールがこちらにやって来て

「マクスウェル、お前に路地裏の治安維持を

 やってもらう、街の景観を損ねるような

 人間がいれば切り捨てても構わん

 それと、来週末までに隣町の山に住み着いた

 レッサードラゴンも討伐してくるのだ

 いいな!こちらは納期厳守だ!」


いきなり捲し立てて来たが毎回こんなもんだ

「ちょっといいっすか?」


怪訝な顔をして団長キールはこちらをみる

「なんだ?できないと言うわけではあるまいな?」


『あ〜、いやそうじゃなくて、この指示は

 団長からなんすか?それとも上から?』


「どっちでもいいだろう!と言いたいところだが

 今回は上よりの指示だ心してかかれよ」


俺はその言葉に物凄く違和感があった

なんなら顔に出ていたかもしれないが

『了解でーす』

と軽く返事をしておいた。


キールが踵を返して、これだから平民上がりは

とかなんとか言いながら去っていった。


『さて、とりあえずレッサードラゴン討伐だな』


俺はその日のうちに隣町まで移動し

翌朝には山へ登り、レッサードラゴンを倒して

下山。討伐した日には街に戻って討伐の

報告書したためた。


今回上からの指示か団長の指示か聞いたのは

スピード感の問題である。

上から指示の場合は早ければ早いほどいい

何故ならキールが素早く対応したと上に報告

できるからだ、一方でキールからの指示の

場合は少し遅めがいい、何故なら平民上がりの

サファイアチームは俺だけ、平民が早く片付けると

嫌味がひどい、時には嘘付き呼ばわりされる始末


『よし、討伐報告書作成完了!』


翌朝報告書と討伐の証を持って、キールの元を

訪れる


「なんだ?マクスウェル、まさかできないと

 言わないだろうな?」


『いや、レッサードラゴンの討伐が終わったから

 報告書と証を持って来た。』


キールは嬉しそうに

「そうかそうか、平民上がりにしてはよくやった

 これは俺が受け取ろう。

 治安維持はどうなっている?」


『それはこれからだ』


「さっさと終わらせて、報告書を持って来い

 今日は討伐に免じて許してやる」


ご機嫌で嫌味を言いながらどこかに

歩き去って行った。早速報告に行くんだろうな


『さて、このまま路地裏でも行くか』


その足で路地裏に向かった俺は、いつもの

光景に少し罪悪感を感じる

メインストリートは活気があふれ、光に満ちて

いるように見えるが、路地裏は一度入ると

ゴミで溢れかえり、無気力な人間が座っていたり

寝そべっていたりする。

そんな路地裏で俺は清掃活動を実施する


『仕事さえあれば、こうはならないんだろうな』


路地裏の隅々を掃除して家に帰る

次の日朝から昨日の掃除の撃ち漏らしと

本当に大きな問題がないか確かめて

騎士団の詰め所に行く。


「おい!マクスウェル!」

朝から団長の声がデカくて嫌になる。


『なんすか?』


「おまえ、路地裏に転がってるゴミは

 掃除したんだろうな?」


『ゴミ掃除はしっかりしたっすよ?

 今朝も確認してきたから間違えない』


キールは眉をぴくぴくさせて

「そう言う事ではない!景観を損ねるものは

 排除せよ、と言ったつもりだが?」


なるほど、そういう事か

『いやいやいや、何にもしてない人を

 排除とか無理でしょ!何考えてんの?』


キールはニヤニヤしだした

「そうかぁ、おまえ上の言う事を

 聞けないんだな?」


『聞けないっすね、そんな非道な指示は

 言った上が悪いでしょ』


キールは笑いを抑えきれないようで

「わははは!領主のヒーデブ様を悪く言うとは

 流石の俺も庇いきれん!おまえは今日をもって

 ストーンに左遷だ!」


『はい、了解です。』


「なんだ素直じゃないか、領主の名前が出て来て

 ビビったか?」


『違うわ、こんなクソみたいな所

 こっちからさっさと出て行ってやるって

 ことだわ、ふざけんなよテメェ』


キールは怒りを露わにして

「貴様!上官に向かってなんだその態度は!

 修練場に来い!性根を叩き直してやる!」


こいつさっさと出てけと言ったり

修練場に来いと言ったり、なんなんだ?

まあいいか、修練場ならば合法だ

『ああ、いいぜ、やってみろよ』


修練場に行くとキールとその取り巻きが

3人待っていた。

「まさか、4人は相手に出来ないというんじゃ

 ないだろうな?」


『気に入らねぇ奴を合法で叩きのめせるんだ

 むしろ好都合だ、さっさとやるぞ』


その後は無茶苦茶だった

キールとその取り巻きは雑魚すぎて

気が済むまでボッコボコにしてやった

そうして4人の意識が飛んだ頃

『このクソ野郎どもが、

 少しは心を入れ替えやがれ』


そう吐き捨てて、俺はサファイアチームを

クビになり、ストーンチームの詰め所を

目指して歩き出した。

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