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別れた元カノがうちのメイドになった件  作者: 雨宮桜桃
第2章
30/39

憂鬱な体実②............?

◆ 天海浩介 ◆


 今日は6時間目に体育祭の出場種目決めがあり、僕は当初の希望通り玉入れと綱引きを見事勝ち取った。

 そして放課後は前回の体育祭実行委員会から数日経って3度目の集会である。

 教室を見渡すと少し空席が目立つ。これは前回の一件で狩屋さんが委員長としてナメられてしまった証拠とも言えるだろう。


「えーと、今日来てない人は何か用事でもあるんでしょうか。ペアの人何か聞いていたりしませんか?」

「なんか、今日サッカー部は大事なミーティングがあるとかで来れないらしいよ」

「なるほど、ありがとうございます。では時間も時間ですので会議を始めさせていただきます」


 こうして始まった会議は前回とは一転してスムーズに事が進んだ。

 前回お持ち帰りになったスローガンについては僕のアドバイス通り応援団から案を募り、実行委員の多数決で決定した。

 みんなの前で手を挙げ案を出すのはハードルが高かったが既出のものに手を挙げるだけなら責任もプレッシャーも何も無い。結果、進行は滞ることなく進んだ。

 何はともあれこれで前回の遅れも取り戻せたし狩屋さんがナメられることも無くなるんじゃないだろうか。


「次に明日から本格的に体育祭に向けた準備が始まりますのでその担当割りをしたいと思います」


 仕事は大きく分けて2つ。

 まず1つ目が赤・青・黄団それぞれの立て看板と応援旗の作成。

 2つ目がプログラムの作成だ。

 細かな内容としては立て看板は大きな木の板を何枚か繋ぎ合わせ、応援団から預かったデザインにペンキや絵の具で絵を描いていく。応援旗も物干し竿的な棒に布を巻き付け以下は同様。

 そしてプログラム作成組は各クラスの競技参加者の名前と順番をパソコンで打ち込み、それを全校生徒約720人分と保護者用。それに先生と予備の分で合計1500冊のプログラムを作る。

 どちらに行っても大変なのは変わりないが、まあプログラム作成にはパソコンを扱える知識も必要なので必然と工作組に人が集まった。


「はい、と、いうわけで本日はスムーズに決まって良かったです。今日欠席の方についてはこちらで振り分けておきますので明日から皆さんよろしくお願いします」


 想定以上に早い解散に皆、笑顔で教室を去っていく。

 かくいう僕も一安心からか下駄箱から校門までの道を歩く際、グラウンドで真摯に部活に励んでいる野球部やサッカー部を晴れやかな気持ちで眺めてしまう。

 30分ほどで会議が終わったため空はまだまだ青い。

 本来ならそのまま清々しい気持ちで校門を潜れるはずだったのだが何故だか校門の手前で妙な引っ掛かりを覚えた。

 …………()()()()()()

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