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最弱保健委員の己己己己さん  作者: 古丹那 リタ
第7話(6月3週目)
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7-1「電器店」

(ったく、こんな時間に電池だけ買いに行かされるなんて……。他のリモコンから入れ換えろよ、とりあえず)

 初夏に入ってだいぶ陽が長くなってきたが、夕食後の時刻ともなるとさすがに暗い。

「ぉい、まいどありぃ」「うぃ、どうも」

 店主からシャレっ気一つない紙袋を受け取って、看谷 悠斗は踵を返した。

(ジョンシンはもう閉まってるから、ついでに中古ゲームの発掘ってわけにもいかなかったし。ちゃっちゃと帰るか)

 その時だった。店の外で大きな破裂音が弾けたのは。

「うあビックリした!?」

「お? この香ばしい破裂音は……」

 と、店主はなぜか店の奥へ行ってしまったが、看谷は店の外へ。

 するとどうだろう。すぐ近くの道端で、胸を押さえた彼女がフリーズしていた。

「あ、あう……あう」

 足元に白っぽいガラスの破片……いや、粉々になった蛍光灯の破片を散らした己己己己 癒子が。

「己己己己っ? あーあー蛍光灯割ったのかよ、ケガは?」

「看谷さん……。だいじょうぶ……です、ありがとうございます。ビックリしちゃっただけです」

 ホッと息を吐きあった2人の間に、ホウキとチリトリが差し出された。

 店主だ。このセットを取りに店の奥へ行っていたらしい。

「大丈夫かぃー、気にすんな気にすんな。パリンっていうよりパァァンッッて割れるんだよなー蛍光灯って」

「ああ、ども。ありがとうございます、使います」

「お、やってくれんの? ていうか知り合い? エラいねーカノジョのために」

「カッッ、彼女とかじゃないから!」

「お嬢ちゃん、蛍光灯の形とか大きさはわかるかい?」

「あ、はい、メモしてきたので。割っちゃってごめんなさい……」

 看谷は「聞けって!」と喚いたが聞いてもらえなかったし、ホウキとチリトリを振るった格好ではカッコつかなかった。

 やがて、2人は後片付けと買い物を終えて。

「お騒がせしました。私、暗いところを見るのが人より苦手で、そこの電柱にぶつけちゃったんです」

「……ふーん。夜目がきかないってやつか、おまえらしいな」

 自転車のスタンドを蹴り上げた看谷に対して、徒歩で来たらしい己己己己は手を振った。

「それじゃあ。また明日です、看谷さん」「待てよ」

 と。看谷が呼び止めれば、フラフラと歩きだした彼女は振り向いた。

「……暗いとこ見えないって言ってるのに、灯りも持たないで歩きまわるなよ。自転車のライトでなんとかなるか?」

 ……看谷は己己己己の隣へ歩みを進めて、彼女の行く先を自転車のヘッドライトで照らした。

「…………」「な、なんだよ?」

 なんだかまた固まってしまった様子の彼女の顔までは、ヘッドライトでは照らしきれなくて。よく見えなくて。

「なんとかならないです。2人乗りしませんか」「するかよ!」

 スキあらばにじり寄ってくる天然危険物を警戒しているうちに、家の近所まで送り返すことができたのだった。

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