いざ夜ご飯!初めての魔物です
お昼過ぎに出発して辺りがだいぶ暗くなってきたので今日は野宿をする事になった。
初めての野宿ね…前世の子供時代にやったキャンプみたいでなんだかドキドキするわ。
まわりはみんな野宿をする事になれているのだろう、馬を繋ぎ世話を始める。
「アリアさんたちは寝る時どうするんだ?」
「私たちは寝具を持ってきているのでそちらでねます。テントを張ることだけお手伝いしてもらえますか?」
すでに荷台から降りた時に人目につかないように収納からテントと寝具と料理道具と材料を出しておいた。
「私はご飯の準備をしますので、ミナとテントをお願いします」
「いやいや、この荷物の量おかしくないか?…アリアさんもしかして…いや、依頼主の事を詮索するのはしないよ。よし!ジーンとヒナ、テント貼っちまうぞ!」
ダイさんは流石に長く冒険者をやっているだけのことはあってそれ以上は聞いてこなかった。
「よーし、さっそく料理に取りかかるわよ!」
街で買い出しをしている時に冒険者が買いに来るという道具屋へ行き、大鍋や包丁などの調理器具、食器などを買ってきた。
「夜は冷えるといけないから具沢山スープにしましょう」
行商のみなさんの分も食事を担当することを伝えたところ料理ができるように火や石を使って簡易竈門の準備をしてくれたので、ありがたく使わせてもらう。
まずは乾燥させて売っていた椎茸を鍋お水につけておく。簡単に出汁を取る方法でいきましょう。白菜、人参、大根、里芋と皮を剥き大きめに切っていく。
「アリアさんよ!こいつ飯に使えないか?」
振り向いたらダイさんが豚のような人型の生き物を持ち上げていた。
「ぎゃあ!!びっくりしました…そちらは魔物でしょうか?すみません、初めて見たもので…」
お城でずっと生きていたせいで魔物を見ることがなかったので変な声が出てしまった。ちょっと気持ち悪いわね。
「これはオークって魔物だ。見た目はこんなんだが肉としては上手くてわりと食用として出回ってるんだぜ」
な、なるほど…見た目が豚ぽいので豚肉として扱っていいのかしら。物は試しというか、これからは魔物だって身近になるんだから使ってみよう。
紅蓮の皆さんがさっそく解体してくれたので、お肉を受け取った。
「これさ…普通に豚肉ね」
里芋をたっぷり使ったオーク肉入り芋煮が完成した。