表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/26

アリアの秘密です


 私には一年位前突然もう一つの記憶が頭の中に現れた。

いつもだったら何も思わなかった食事がなぜかとても塩辛く感じてしまい、その瞬間だった。


バチン!と頭の中で何かが弾けた感じがした瞬間。



 (なんで忘れていたんだろう…)


 きっと前世といわれる記憶。そうだ、私は死んじゃったんだ。

ずっと実家の食堂で育って成人した後もそのまま食堂で働いていた。田舎で育った私は可もなく不可もなくとても平凡な人間だった。ご飯を食べる事と作る事が大好きで食堂のメニューも私が考えていた。


 家の裏が山になっていて、そこでキノコや栗や銀杏などを取りに行くのが趣味な私は慣れていた山道を歩いてる時に足を踏み外してそこからの記憶がない。


 「これは多分死んでるわね…」


 大好きな家族の事も覚えているので、思い出した当初は泣いていた事もあった。それでも私はもう戻ることは出来ないからいつまでも泣いていられない。

立場は王女、強くなくては生きていけない。守られているだけでは命を落とす事になる。


 この日から私の中にもう一人の記憶が出現したため料理や食材などの知識はそれなりにインプットされている。それ以来お城で料理をすることは叶わないけどいつか思う存分料理ができる日を待ち侘びていたのだ。


 それでも前世の記憶があることは簡単に言ってはいけないことなのはわかる。いくら専属侍女で信頼していても伝えることはできない。いつか伝えなきゃ行けない時が来るまではそっと自分の中だけに留めておく。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ