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だって元王女なんですもん


 「まずは食材を買いましょうか」


 王都の市場なだけあってすごく賑わっていてお店もたくさん出ている。

その中から三日間分の食料を買わなければいけない。


 「しかし困りましたね。私たちだけではそれほどの荷物を持つ事ができませんし…」



 ふっふっふ。


 「ミナ、私を誰だと思っているの?元王女よ?これをみなさいな」


 私は肩からかけていた革のポシェットをミナの目の前までもっていく。


 「ポシェット…にみえるのですが…」


 「まぁまぁ、ちょっとこっちへいらっしゃい」


 先ほど購入した野菜を二人で抱えて建物の影に入る。そしてそのポシェットにそな野菜たちをつっこんだ。


 「え!!え…?えーっっっ!!

野菜が…どうなっているのですか!?」


 ミナが驚くのも無理はない。このポシェット実は魔道具で、そんじょそこらの魔導士では作れないものだったりする。特に魔法がないこの国ではまず手に入らない。


 「これね、実はお母様が嫁入りする際にご実家から持ってきた物で異空間になっているポシェットなの。この中に入っているものは時が進まないから腐ったり傷んだりすることがないわ。

お城でお母様の遺品として保管されていたけど餞別としていただいてきちゃった」


 「えぇぇ…大丈夫なんですかぁ?」


 ミナがぶるぶるっと震えながら心配する。いいのよ、まだこのポシェットを持ってくるときは王女だったんだもん。それにお母様の形見は私だけのものよ。


 気を取り直して食材をどんどん買い込んでいく。


 「ミナ、私のことはこれからはアリアと呼んでくれるかしら?もう平民なのだからただのアリアよ」


 「はい!これからはアリア様と呼ばせていただきます!」


 うーん、様をつけずに呼んでほしかったけどまぁいいでしょう。


 「しかしアリア様はなぜこんなにも食材や料理のことがわかっていらっしゃるのですか?

お城ではキッチンに入った事もないはずなのに…」


 「あー…その、実は授業で薬草の勉強をする際に野菜や調味料のことも学んだのよ!ほら、料理って化学みたいなとこあるじゃない!」


 それらしいことを言ってミナを納得させたはいいけど、本当は違う。私の最大の秘密があるのだ。




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