初めてのモンスターです
2階層は1階層とは違って地下迷宮という感じの道になっていた。
「なんだか突然ガラッと変わるものなんですね〜」
「本当ね。さっきよりも歩きやすくていいけれど…あら?」
先の方から人の声がする。
「お!これはお出ましだな!!」
「おふたりは端によっているんだ。ここ階のモンスターならオークだろうから我らが打ち落とすことはないから安心してくれ」
ミナの手を引き道の端へ寄ると道の先からズシンズシンと重たい。これは思ってたより大きい気がする…震えるミナを抱きしめながら先の暗闇へ目を向ける。
声をあげながら現れたのは豚と猪をまぜたような二足歩行のモンスターだった。
「ラッキー!やっぱりオークじゃん!先の冒険者打ち落としあったね」
そう言いながら走っていくヒナさん。オーク…マグダリアからの旅の途中で3人が取って来てくれたお肉の元はこんな感じのモンスターだったのね…
あれを食べてたのかと思うとなんとも言えない気持ちになったけど、すごく美味しかった。次はオーク肉で絶対豚カツにしようって思ってたくらいには気に入ってるから心の中でガッツポーズを決める。
「一体なのが残念だけど、俺たちがこの階にいる間にはモンスターは復活しないからコイツだけでも解体しちまおう」
ダンジョンではモンスターを倒してもある一定の時間が経つとまた同じモンスターが湧いてくるらしく中のモンスターが空になることはないけど混み合っているとそれだけ収入も少なくなる。
その為復活するまでの時間を同じ階でまつ冒険者は多いんだとか。
紅蓮の3人が倒したオークの解体を始める。このダンジョンに潜るにあたって、お肉や食材となる傷みやすいものは私のポシェットに収納して、薬草(私からしたらハーブなんだけど)以外の素材に関しては紅蓮の3人が持っていく。
ポシェットの事が知られてしまうといけないので普段と変わらないスタンスで行きたいと言われたけど、せっかくの食材が傷むのは嫌だ!と断固反対して食材は全て私のもの、素材は三人に全て譲るということになった。
お金にはまだ余裕がありすぎるくらいなのでそれよりも美味しいご飯よ。
「解体するところを初めてみましたけど結構…なんていうか…」
「はははっ!お姫様にはちときついよな!ほい、これ解体した肉だがそのままいれるか?」
「お皿を持ってきているのでもらいますね」
あんなに大きい体だけあってお肉の量もたくさんあるのでポシェットがあって本当に良かった。
「いつもだったらほとんど置いてくからアリアちゃんがいて助かったねー!お肉だってもったいないもん」
「そういえばダンジョンで倒したものはダンジョンが吸収してしまうんでしたね…ある意味環境破壊が起こらないいい仕組みではありますね」
ミナが真面目に考えてるからなんだかおかしくてみんなでほんわかしていた。
「し!静かに!足音聞こえない?」
「す、すいませーん!はぁはぁ…ごめんなさい、あの、少しお願いしたい事が…」
前方から走ってきたのは多分まだ新人であろう冒険者の男の子だった。まだ顔が幼いから私よりも年下くらいの。
「おう!大丈夫か?ちっと落ち着け!緊急事態か?」
ダイさんに諭され男の子が深呼吸をしている。
「ごめんなさい、緊急事態じゃないんですけど…オークが五体でて俺たちなんとか倒せたんだけど実は初めてのモンスター討伐で解体の仕方がわからなくて…少しならお礼も渡せるので解体のやり方教えてください!」
幼馴染3人でパーティーを組んで初のダンジョンに来たはいいもののなんとか倒せたオークの解体がわからず巨体すぎるため外に持っていくことも出来ないで途方にくれていたところに私たちの話し声が聞こえて急いで来たのだそう。
「うーん、初々しいね!なんだか懐かしくなっちゃうなぁ〜」
「はは!そうだな!誰でも初めてはあるからな!よし、俺たちで良ければ解体の仕方を教えるぜ、礼はオーク肉一体分でどうだ?」
「いいんすか?まだ冒険者にもなったばっかなんで正直助かります!あ、俺アルトです!ウォールってパーティーで登録してて一応リーダーです」
自己紹介をしながらアルト君は私たちをメンバーの元まで案内してくれる。




