ダンジョンへ入ります
前世では子供の頃遠足など楽しみなことがある前日はどうしてもワクワクして眠れずに朝後悔することがよくあったけど、それはこっちの世界に来ても変わらないみたい。
「楽しみすぎて全然眠れなかったわ…」
「アリア様大丈夫ですか?」
心配そうにミナが顔を覗き込んで「ひぃっ」と声をあげる。
「なんてことですか!アリア様のツヤ肌が…目の下に隈が…ひどい有様です…睡眠がどれだけ大切かは散々今までお伝えしてきたはずです!!」
う…侍女バージョンのミナが出てきてしまった…こうなるとミナのお説教が長くなってしまうわ。
「ごめんなさい…楽しみでワクワクしてしまったのよ」
必殺上目遣い!
「く…アリア様は例え平民になったとしても私には王女様なんです。大切なお姫様なのです…なので!残りのこの時間で久しぶりにアリア様を磨き上げます」
しまった。ミナを焚き付けてしまった。ここから私は出発までマッサージやエステのミナスペシャルコースを受けることになる。このスペシャルコースとてつもない痛みも伴うため私の叫び声がこだましていたのは言うまでもない。
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「おはよーってあれ?アリアちゃんお肌つやっつやだねぇ!昨日はゆっくり休めたみたいで良かった」
ミナのおかげで寝不足の疲れも一切なくなり、ツヤツヤひぱりぷりで集合場所に辿り着いた。ミナは隣でドヤ顔している。
「今日がとても楽しみで眠れなかったのだけどミナが頑張ってくれたの。」
「やっぱりお城勤めの侍女さんは違うねぇ」
「みんな揃ってるな!さっそくダンジョンに潜るぞ!」
ダイさんの一声でダンジョンの入り口へ向かう。入り口で臨時のパーティー登録をして中へ入る。中は洞窟になっていて灯りもないのになぜか明るい。
「すごい…不思議な空間ですね…」
「ダンジョンとは異空間と言ってもいいほど作りが特異だ。ダンジョンでは死体も残らない…冒険者達が命をかけて夢と希望をつかみにいく場所…」
ジーンさんに言われ気を引き締める。
「ただここは初心者も攻略できるほど簡単なダンジョンで、低ランク冒険者が最初に入る事が多いから安心していい」
「そうだな、オークとか食用になる肉なんかも手に入るから駆け出しの冒険者にはもってこいなんだよ!あとはFランクの依頼の薬草採取や買取してもらえるものもあるからな」
「そうそう!アリアちゃん達が初めてだしいろんな薬草もあるから観光みたいな感じで二日かけてゆっくりいくけど、1日で行こうと思えばいけちゃうくらいだよ」
「まぁ…そうだったのですね。でも皆さんの足手まといにならないように頑張ります!」
怯えていたけ三人の言葉を聞いて安心して進み始めることが出来た。それでもせっかく来たのだからしっかり目に焼き付けようとキョロキョロしてしまう。
「あ!これ薬草じゃないですか?」
ミナの指さす先にはもっさりと見たことのある植物が生い茂っていた。
「大葉だね〜これはすぐにそこら中に生えて大変なことになるから、結構伐採依頼があったりするよ」
「そんな!!なんてもったいないことを…でも確かに繁殖力はすごい気がします。でもこれは柔らかいものは料理に使えるので株ごと持ち帰ろうと思います」
「こいつ食べれるのか?使い道が全然ないただの雑草だと思ってたけど…だがダンジョン産だからそこらで収穫するものより断然質が違うからな」
ダイさんがそう言いながら根っこから綺麗に引き抜いてくれた。
「ありがとうございます!みなさんに食べてもらえるように何か考えてみますね」
そこからしばらく歩いていたら突然階段が現れた。洞窟に突然現れたレンガ造りの階段がなんだか異質だけどダンジョンとはそういうものらしい。そしてその横にはあまり広くはないがレンガの床が広がっている。
「ここはね、ダンジョンの各階にあるセーフティーゾーンだよ!なぜかここはモンスターが湧いてこないかご飯食べたり夜寝たりする時にはこのセーフティーゾーンを活用するの」
ま、こなダンジョンの一階層でモンスターはまずでないけどねと笑いながらヒナさんの言葉を聞いて隣でミナがほっと胸を撫で下ろす。
「よし、このまま降りるぞ!昼は三階層のセーフティーゾーンでたべよう」
ダイさんの声でゾロゾロと階段を降りていく。口には出してないけど前世でRPGのゲームなどで見ていたダンジョンにきているというだけで感動してしまっている。




