不思議な唐揚げを作ってしまいました
目の前には山盛りの唐揚げと待ちに待ったカレーライス。
今回も麦を炊いてお米代わりにした。
「これはとある国でよく食されているカレーという食べ物です。色々な香辛料を使って香りや辛さ、さらには好きな食材を使って自分好みのカレーを作れるので家庭によって何種類ものカレーができあがるのですよ!」
「こちらの素揚げしたお野菜をお好みで盛り付けてくださいね」
いつものごとくみな好きなものを盛り付けて焚き火の周りに座り始める。
「この唐揚げ?ってやつも腹が減る匂いでよだれがでてくるぜ」
ダイさんが山盛りの唐揚げをカレーライスの上に乗せていく。唐揚げはしっかり味が染み込んで美味しい出来になった。
「ではさっそくいただきまーす!!」
うん、カレーライスがとってもいい出来だわ!
スパイスの香りと舌にジワリと来る辛さ。少ない材料でここまで出来たのは上出来ね。周りの人もカレーライスに驚きながらも凄い勢いでたべている。老若男女の人を虜にする食べ物、それがカレーライスよ。
ぱくっとヒナさんが唐揚げを口に入れた。
「え?え?なにこれ…」
困惑したヒナさんの言葉に顔を上げると周りからも声が上がり始めた。
「みなさんどうされました?なにかまずいものでもはいってましたか?」
「違う!違うの!ちょっとみてこれ!」
腕を差し出したヒナさんは袖を捲って見せてきた。そこには賊との戦いで斬られ傷ついたはずだった場所。
「傷が…消えてる?」
血が滲んでいた場所はどこにも傷がなく綺麗な肌になっていた。
「ア、アリアさん!我が商隊の者たちの傷が!唐揚げを口に入れた瞬間消えました!」
違う焚き火で食事をしていたサミエルさんが転がるようにして近寄ってきた。
「今ヒナさんも同じ現象が起きました…これは一体どういう事でしょうか…」
「ジーン、お前まだ唐揚げ食ってねえよな?これ食ってみてくれ」
ダイさんがジーンさんの口に唐揚げを詰め込み、飲み込んだ瞬間ジーンさんの顔の擦り傷が消えた。
「これは…」
「アリアさん、これは少し困ったことになったやもしれませんよ…」
サミエルさんが考え込むようにして呟く。
「せっかくの美味しいご飯です。とりあえず話はご飯を食べ終わってからにしましょう、私は商隊の者たちに緘口令を敷いてきます」
サミエルさんはそう言い自分の商隊の方へ向かっていった。




