4話 死なない生物の初戦闘
レベルや経験値の類の存在を使えるのは勇者のみだ。
プロポーズなんて忘れて俺は剣を持って外へ飛び出した。確か草原には最弱モンスターのスライムがいるはず。
居た!スライムは一番簡単に倒せる魔物だ。素手でもがんばれば倒せる。まあ難点はべとべとすることぐらいだ。
さあ来い!
puyopuyo
...
え?防御魔法が作動してない。もしかしたら...
ステータス
==ステータス==
HP-100
攻撃力-20
防御力-40
素早さ-20
魔力-????
心の中で今度は言ってみた。おお成功した。ってあれ?魔力どうなってんの?ってか攻撃されたのにHP減ってない。
弱すぎるってことか?
このステータスのやつの解除って...?どうすれば?おろおろしていると消えた。
ステータス。
==ステータス==
HP-100
攻撃力-20
防御力-40
素早さ-20
魔力-????
ステータス
消えた!二回言えば消えるのか。
えい
剣をぶっ刺してみた。「べちゃ」死んだ。まあ知ってたけど。落としたのはスライムの欠片か。粘土を作るのにつかわれるといわれているので意外と高価だ。
これじゃ実験にならないんだよな。防御の実験とか危ないしやっぱやめとこ。戻ろうと思って後ろを振り返ると...あれ?壁?目の前に石の壁が。
「アガァ!」え?上を見ると二つの光る眼があった。
「ゴ、ゴ、ゴーレムだー」
ぐはぁ。ぶっ飛ばされた。
どれくらいだろうか。2から30メートルほど殴り飛ばされた。
ドサ!
軽い男と共に俺の頭は床に落ちた。
あ。ダメかも知れない。今の一撃で俺はおそらく顔がぐちゃぐちゃになっただろう。あの防御力とかいうステータスが足りないんだ。人生終わった。
っと普通の人間ならなるだろう。ぐちゃぐちゃになった頭蓋骨、はみ出た脳みそ、たれ出る血液。全部が元に戻っていく。
眼球もどこかへ吹っ飛んで行ったらしく、脳が戻っても見えない。しばらくしたら見えてきた。少しずつだが安心できるな見えるってのは。俺は回復できてよかったと本当に思う。でも俺は思った。
痛い。
思えば当たり前だ。これまでの回復の経験からして痛みは普通にあるのに。何故こんな実験を…
自分に飽き飽きしながらも回復を待つ。
ちなみにゴーレムは殺したと思って石になった。ちなみにゴーレムは石に擬態する魔物で、人が近くにいると変化魔法を解除する。これは普通のゴーレムっぽいが、属性がついたりすると軍が出動することもあるらしい。
さて。最強防御魔法。使いますか。俺は起き上がって地に手をついた。ゴーレムも俺に気がついたらしく、石化を解除して大きく振りかぶった。
「防御魔法!」俺はあの時地面にぶつけたように力を込めた。
…
何も起きない。代わりにゴーレムのパンチを食らった。
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やっぱりなんにも起きない。俺はそのあと村人に殴るように指示したりしてなんとか魔法を発動しようとした。
「なあ頼むよ!俺を殴ってくれ!」俺は必死に頼み込む。
「おい。アレイお前普通じゃないよ。それにお前今日大事な日なんだろ?俺がお前を殴って...その降られたらどうすんだよ。」
「いいから!」
最終的に頬をぶっ叩かれたが発生しなかった。
俺はレベルとやらが足りないと思った。だから俺は先ほどのゴーレムを倒そうとしたあのゴーレムはたんまりと経験値をためているはずだ。なぜならあの草原で一番強いからだ。通りかかったスライムとかを狩り続けてるんだな。
俺はレベル上げにこだわった。勇者という存在に強く惹かれたからだ。勇者のように強くなれば俺を捨てた親に会えるかもしれない。王国に行けるかもしれない。
そう信じたからだ。
ゴーレムはじっと動かない。別に何度もやられる俺ではない。俺は観察を始めた。
ゴーレムにスライムを投げつけて攻撃を見る。
...!
俺はゴーレムの背後にヒビが入っているのを見つけた。おそらくあそこに衝撃を加えれば...
こっそり近づき背後を襲う作戦に出たが...なぜかばれた。おそらくスキルの類。おのれスキル許さん...
だがゴーレムへの攻撃に成功した時もある。運よく攻撃を交わせて急所のヒビに剣を刺したら、弾かれた。おそらく硬さも相当だ。光る物に注目する特性があるのでそれも利用したい。
これじゃ破れない。俺は炭爺のところに爆薬を注文した。炭爺はスキル持ちだからすぐに完成した。
「おい。アレイ。いくら何でも何かはあっただろう?様子が変だぞ?」
「ああ。...
ちょっと入っていいか?」
俺は一番信頼している炭爺にすべてを話すことにした。
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「炎よ」
「で?なんだ折り入って話って」 炭爺は俺に魔法で作ったホットココアを渡して言った。
「落ち着いて聞いてくれ。俺スキラーになった。」俺が真面目な顔で話し始めると...
「わっはっは!スキラー!そりゃあすごいなー。それより今日も冷えるな....」炭爺はまじめに聞いてくれずにココアを飲んだ。
「真面目に聞いてく...っ」炭爺は俺の口を覆ってきた。どうしたんだろうと思い手を振り払って言葉を発する
「どうしたんだ?」
「俺のスキルの一つに未来危機ってのがあってな。未来に危機が迫ったときに警告されるんだが...」
うん。これは知ってる。昔炭爺に聞いた話にそれがあった。
「今警告が流れた。どれくらいの未来かはわからないが...」
...話づらくなってしまった。
こういう時は実践してみるのが一番だ。俺はテーブルにあったナイフで手を切り落とした。
「グあぁああぁあ痛ぇえええ」
「おい!何してんだ!手を!おい!」
炭爺は俺の手を拾い上げ、おろおろしている。
「えっ?えっ?」
すると俺の手首と手から血が出てきて繋がり、戻った。そしてドヤ顔。
「おめえ...すげえや」炭爺は目を白黒させながら俺の手首を確認する。「ほらな!スキル!あっただろ?」
「たしかにスキルではあるが...こんなの見たことない。魔力を消費してるな。」
え?魔力?
「そ...そうなのか?魔力を消費してるのか?」
「はあ?おめえ知らずに使っていたのか?それは危険だぞ?」
「まっさかぁ」俺は強がった。
「お前よく聞け!」
いつもは優しく、ヘラりとしている炭爺が真面目な様子で俺に言った。
「魔力は時に人を滅ぼす。自分も。周りも不幸にする。それを忘れるんじゃねえ。スキルなんてその延長にすぎねえ。いいか?忘れるなよ...!」
自分も...
「あとなぁ。いくら傷が治るからってな。自分は大事にしろ!」
俺は切り替えて告白に専念しようと決めた。




