表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不死伝説 【神様の手違えで死んでしまった男の話】  作者: けまり
第二章 王都の白龍
16/16

16話 不死生物の全面戦争

 気が付いたら兵隊はいなくなっていた。俺が死んだのを確認して帰ったんだろう。ふふふ馬鹿め。


 スッキリした気分で大通りに出ると、なにかが騒ぎになっているのを見つけた。

「おい。これは何の集まりだ?」

「あ?山の龍を狩る部隊が今日出発するらしいんだ。急だよなぁ。」

 なんだって?!

 いくら何でも早すぎる。龍を狩るなんて一流軍隊でも難しいものをこんな急に。とにかく急がなきゃ。

 俺は急いで水ノ柱組へ走った。

 ---


 八方塞がりだと思った俺はすべての事情を組長に話した。


「なるほどなぁ。だからテスト内容を言った時の反応がおもろかったのか。」

「え。そうですか?」

「ああ。ポーカーフェイスは大事だ。話をする上で相手が何を考えているか。自分ならどうするか。相手の性格の穴は何か。よく考えなきゃいけない。」

 相手の性格...リーコンさんは大胆な性格だから嘘も信じそうだ。でも純粋な人を騙すのはいけないことだ。炭爺が言ってた。


「よっしゃ。ここは水ノ柱組に任せろ。」

「えっ?」

「全面戦争だ。」

「く...組長?!今軍のやつらと真正面から戦うのはリスクがありすぎる!組が潰れますよ?!」

「もちろん変装するさ。炎ノ柱組にな」

 まさか...


 ===


「白龍はこの先だ!全軍陣形を保ったまま進軍だ!」

 軍や金目的の冒険者、奴隷や一般人もいる。今から殺すのは...軍だ。


「隊長!右前方!炎魔術のような物が見えます!詠唱中でしたら敵襲です!」

 ファイアーボール!

「...って弱魔法のファイアーボールか。魔物かよぉ。よし。盾兵が攻撃を受けて弓兵が狙撃せよ!傷を負った者は作戦通りに!」


 ===

 俺の権勢の一撃でだいぶビビったな。これならいけそうだ。

「おいアレイ。まさかお前...|溜め撃ち《チャージ&ファイア》をやってないのか?」

「なんですかそれ?」

「おまっ。え?溜め撃ちなしでその威力ってマジで言ってんのか。」

 溜め撃ち。炭爺もそんな話はしてなかった。

「は...はは。とりあえず今メイン部隊はファイアーボールをチャージしてる。お前は早く引け。」


 今回の作戦はシンプルな成りきり作戦。炎ノ柱組の服を着たカカシを遠距離に立てて、炎属性の攻撃を茂みから乱射。場は混乱して俺が白竜を逃がす。水ノ柱組は炎ノ柱組に罪を擦り付けて、ドラゴンゲット。一石二鳥。


「よし。発射!」

 開戦の合図と共に、炎が茂みから発射された。ここまでやってくれるは思わなかったな。


 俺はドラゴンがいた場所へと急いだ。


 ===


「おーい!白竜(シロドラ)!」

「アレイ。また来たのか。妹はやらんと言った。殺すぞ?」

 げ、ドラゴン兄。


「ちち...ちがいます!敵が来てるんです!早く逃げましょう。向こうであなたを殺そうと軍隊が迫ってきています。」

「フン。下等な人間どもなんて俺一人で蹴散らしてくれる。」

「軍と冒険者。それと一般人も。とにかく大量の兵士がいたんです。早く逃げないと」

「...お前は人間だから知らないのか。力の使い方をな。」


 ...!

「波動!」

 ドラゴンは手を空中に上げると、木に向かって「なにか」を撃った。「なにか」は青黒く、一直線に木に飛んで行き、当たった。すると、木は内部に爆弾があったかのように破裂し、倒れた。

「おお。どういう魔法ですかそれは?」

「これは魔法とかいう馬鹿な物ではない。」

 えっ。

「はぁ。細かく教えたいところだが...。どうやら敵が周ってきたようだな。」


 背後から回ってきた兵士の一人は悍ましい見た目をしていた。

 腕は四本あり、彼の左右にはメイド?らしき者もいる。あんなガタイデカい奴軍にいたか?


「誰だ貴様!この白竜は俺のだぞ!」

「おっ目当てが白竜ってよくわかったな。あー人間兵がウロチョロしてるのを見るとそういうことか。まあガキは黙ってろっ。()()()()()さ。さあその白竜をこちらに。」

 ...俺は十歳だが舐められたくはないね。

「契約獣、そして奴隷の横領は法律で禁止されているはずだ。つまりこの龍騒ぎは違法!訴えてやる!」

 法律とかは勉強してないから知らないが、結構一般的に有名な違法行為だからな。

「じゃあお前を嬲って殺せば解決だな。」


 なんでそうなるんだ!コロスとダマレとナブルしか言語レパートリーないのか?

「俺はその辺のゴロついたガキとは違う!」

 クスクス

 四本腕の取り巻きが俺を嘲笑っている。メイド服のやつらは魔力探知でわかる。相当の魔力だ。

「ギトレイア。お前でもこいつは殺れる。殺した頭は食わせるとして...手足は研究にするかぁ?」

「了解しました。命令通り四肢を取って頭を捥ぎます。

 波動術式 破壊球螺旋!」


 メイドの両手に小さな魔力が溜まっていくのがわかる。あれは魔法か?にしては変だ。詠唱は俺と同じ無詠唱だとして、なにかがうごめいている。魔法で作った球体。おそらくあれを飛ばして戦うのだろうが、球体のなかでなにかが動いているのだ。

 こうなったら先手必勝!凝縮した炎をイメージ!


「ファイアーボール!」

 最近頻繁に使っているからだろうか。いつも二倍ほどの大きさのファイアーボールが出た。


 対してメイドさんの魔法は一センチほど。女性には優しくしろと言われてきたが、これは犯罪者。しょうがない犠牲...


「ウジ虫が。」

 メイドが小さな魔法を発射したと思った瞬間、俺の特大ファイアーボールは消滅した。

 とんでもないスピードで俺に当たる...っと思ったら...?無傷だ。

「アレイ。あれは波動だ。」

 ドラゴン兄!俺を庇って真正面からあの玉を。火傷のような傷だが、切り傷にも見える。


「波動?」


「ああ。波動というのは大昔の古代文明の人たちが使っていたものだ。威力は高いが、その分体力や生命力を使う。だから人は詠唱一つで良い魔法を選んだ。長寿の魔物や、世代毎に受け継いで何とか忘れ去られていない力なのだが...。あそこまで使いこなすとは。」


 メイドはもう次の術に移っている。これじゃ体が持たない。どうにかしないと。

「強き者が使えば波動は最強の術だ。」

「な...なにか波動に対抗する術はないの?」

「波動は波動以外の力では抵抗できないとされている。」


 俺は波動が使えないし...ドラゴン兄は満身創痍。俺は不死だが、ドラゴン兄は死なせちゃだめだ。

 それによく見たら敵のメイドの数は五人。一人があんな馬鹿みたいに強いのにそれが五人。その化け物を使役している四本腕のやつすらいる。


「それでは...

 波動術式 破壊球螺旋!」

 もうだめ...か?


...な!

 諦めかけていたその時目の前に少女が飛んできた。白色の髪をした少女はこちらを振り返ってニコッと笑った。どこか懐かしい笑みで振り返った少女は俺を抱きしめて言った。


「久しぶり。アレイ君」


評価ありがとうございます!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ