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趣味は

自慢じゃないが、現代っ子ながらロープレとかのゲームはしたことがない。

テトリスと脳トレくらいだ、経験あるのは。

それだとて、即飽きた。

プログラム思考が分かったからだ。



俺の趣味はプログラム書き。

自慢だが、この世界ではかなり名が通っている。


まあ十歳の子どももいるし、アンダーグラウンドだが。


ゲームプログラムより深い世界に魅いられてしまった。


だから。


「俺の専門外過ぎだ」

はっきりきっぱり、解決できん!

世界ってあれだろ。

プログラムのフローを弄ってプログラム世界を崩す、とかそんな話じゃないだろ?


無理!


……いや、待てよ?

某国の中枢センターに潜り込んだ時に、変なセクションファイルを見たな。

先進国のクセに、政治中枢に眉唾物な部署立ち上げて何やってんだか、とスルーしたが。

もう一度潜ってみるか。


……ん?


「つか、なんでそんな詳しいんだよ?」日が落ちて暗くなってきたため、部屋の電気をつける。


ちなみにヤツは、何かをしたいらしく蠢いているが、何やってるかはさっぱりだ。

「……前々から不思議だったんだけど」


しゃがむ姿勢に疲れたのか、紗那は立ち上がり俺の勉強机のイスに勝手に座る。


なんだか上から目線だな、こいつ。


「何が?」


「色々。

主に貴生が自分の人生についてどう思っているか、とか。

大体名前だって『たかお』じゃなく『キオ』と呼ぶ時点で何か思わない?」


「……? 別に普通の人生だし、名前はあの二人の趣味だろ」


首を傾げると、紗那は何とも言えない表情になった。


「……じゃあ私の名前は? 姿は?」


言われて、紗那をまじまじと見た。


昔より髪は長いか?

腰の位置より長いと邪魔にならないのだろうか。


「あ、そういや髪の色、濃くなったか?

……そういやお前の名前、何処の言語系統なんだ?」


「……今さらな」


ふとアレの方を見て、何かを納得したように頷く。


「私と生まれた時から幼なじみやってきて、質問がソレな訳ね」


ハァ、とため息つきながらぼやくと、立ち上がる。


「帰るわ」


「急だな、おい。

ついでにアレ、持って行ってくれ」


少し哀しそうなのは気になったが、言わないならもう少し待っても良いだろう。


「……、じゃあ貴生がコチラに連れてきて」


何気に触りたくない、と思っていたのに気付かれたのだろう。


渋々何故か満足気にしていたアレの首根っこを引っ掴む。



なんというか、カニの甲羅みたいな感じだ。


つか、やっぱ幻じゃあないのか……。


「きゅうう」


後ろにハートマークがついてそうな声を出された。


……やっぱなんか懐かれてないか、俺?



「ほい」


「きゅ? きゅ、きゅ、きゅ〜」


「うわ!」

紗那に渡そうとしたが、唐突に暴れだした。


驚き思わず手を離すと、ぼとりと落ち、俺の足にしがみついてきた。


一連を眺めていた紗那は、引き剥がそうと奮闘している俺を放置して、扉を開け放つ。



「まあ、頑張ってね」


あっさり言い放ち、扉の向こうに歩き去った。



……、俺、コイツをどうすれば良いワケ?

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