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襲撃 4

暫く振り過ぎる投稿です。


それも話が全然進んでません(T_T)


文才が貧し過ぎる自分に絶望デス。



昼休みに入り、紗那と暁は、まったりと森の中でランチタイムに入っていた。


「あら?

気が済んだのかしら?」


身体を魔素に慣らすための自家製ハーブティーを飲みながら、紗那は木々の向こうにある屋上で動き始めた気配を眺めやった。


木に凭れ片膝に腕を乗せて空を見上げていた暁も、屋上の方に視線を向ける。


「……楽しそうな気配だな。

何をやらかしたのやら……」



ため息とともに遠い目をした暁。



今朝暁は、HRが始まっても姿を現さないキオを不審に思い、携帯を確認し沙那からのメールを気付き、屋上に上がった。


そこで暇そうに扉近くで戯れていた沙那と蒼貴、奥で黒い笑みを浮かべているキオを見つけたのだ。

軽く説明を受けた暁だが、蒼貴と紗那共にイマイチ状況がわからないことにかわりはなく、一時間目をサボりつつキオを待ったが、時間が過ぎるごとに黒い笑みが深くなっていくのを見て、キオが満足するまで放っておくことにしたのだ。



「昨夜の件は、放課後も探す?」


昨夜の不審者の事は、屋上で既に紗那からこの高校内部に入り込んでいた事を聞いていた。


しかし侵入したのは良いが、フラフラ敷地内を飛び回って直ぐに退去した事も。


だが何かを仕掛けた可能性も考え、敷地内を力を使わず地道に足で休み時間ごとに探しているのだ。

「念のため、あの不審者が動き回った箇所は確認したい」


「まあ、妥当でしょうね」


楽しそうな雰囲気を醸し出している貴生を、呆れた目付きで眺めながら二人は密談を終わらせた。




「昼食い終わったのか?」


足取りも軽く二人の元に歩み寄った貴生は、地べたに座り込む。


「ぎゅ~」


地面に置かれた鞄から、蒼貴の潰された声が響く。


「ああ、悪い。やっぱりパソコンは熱いよな」


蒼貴を出しながらニヤつく貴生に、紗那と暁は顔を見合わす。


確かに蒼貴は今、

――主よ、熱いのだが!

と言っていた。


暁は同族の言葉であり、紗那は勉強したので竜の言葉?はわかる。

今のやり取りは、明らかに蒼貴の言葉を理解していた。

自称一般人なはずの貴生が。


「ねぇ、貴生?」


「あ?」


「蒼貴様の言葉、わかっているの?」



「言葉?

わかる筈ないだろ?

竜が日本語話すワケないない」


あっけらかんと手を左右に振ってまでの否定に、紗那はため息をついた。


やり取りを無言で眺めていた暁は、会話が途切れたので、脇に置いてあったビニール袋を貴生に投げやる。


「何だ?」


危なげなく受け取りつつ、貴生は中身を覗く。


「やる」


再び木に凭れかかった暁に、貴生は笑顔を向けた。


「サンキュー!

昼、どうするかとちょうど考えてた」


数種類のサンドイッチとパンが入っている袋を探りながら、貴生はふと隣で丸くなっている蒼貴を見下ろす。


「そういえば蒼貴の果物、持ってきていないな……」


「きゅぅ。きゅきゅーきゅ」

――構わぬ。あれば嬉しいがな。


「そっか。

明日は欠片でも持ってくるか……」


取り出したサンドイッチの袋をパリパリ開けながら頷く貴生は、紗那との会話が途中になっていることを思い出した。


「言葉はわからない。けどな、何を言いたがっているかわかる、と思ってる。

あれだよ、ペットの気持ちがわかる、みたいなアレ」


呆れたように目を細めた紗那に気付かず、

「因みにさっきは、「仕方ないなぁ、でもいいよ~」ってな事、鳴いてたよな?」


などと、片手で蒼貴を愛でもう片方の手でサンドイッチを摘まむ上機嫌な貴生に、紗那は飲んでいたカップを膝元に戻しつつ、話題を変えることにした。



「それで?」


「あ?」


「朝、何があったの?」


コトン、と首を傾げた紗那が聞くと、次のパンをゴソゴソ探っていた貴生は顔を上げた。


選んだパンの口を開け、不快感一杯な表情をしてから一転してニヤリと笑う。


虚空に視線をやりつつ変わる貴生の黒いオーラに、顔を向けていた暁が疲れたため息をつく。



「きゅう、うぅ」

――楽しそうだな、主よ。


ゆらりと尻尾と揺らした蒼貴は、身体を臥せた。




「ああ、久しぶりだったから、楽しかったなぁ」


黒い笑みを浮かべたまま、貴生は今朝の出来事を二人に話すことにした。

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