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薄紅色の君/桜色の君
散文詩1対です
ひっそり芭蕉さんリスペクト
●薄紅色の君
小指に紅をつけて唇をなぞる仕草
あら、綺麗
小指を拭う時に
爪が伸びていることに気がついた
足の指の爪ものびている
全部綺麗にしなきゃ
窓の外は緑葉
啼く青い鳥
鼠色の消えた川
赤い屋根
夏の日もまたゆく
がんばれ、
鏡にうつる私
●桜色の君
真新しいピンク色のリップ
くるりと繰り出す
あら、綺麗
小指で唇の皮落としてる時に
ネイルが剥げていることに気がついた
足の爪もボロボロ
全部綺麗にしなきゃ
窓の外は緑葉
青い空
水の消えた川
赤い土
暑い夏の日
またゆく
鏡にうつる私