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第4歩 接近戦!

遅刻したボッキーの教室にいた転校生、相戸瑠夏。 予期せず隣の席に座ることになり、ボッキーの困惑はオーバーヒートしているのだった。



担任の小野寺は、早めのホームルームを終え、教室を出て行った。


いつも通りの教室の雰囲気が戻ってきている中、ボッキーは一人警戒を続けていた。




危険だ……危険すぎる。

この女、いきなり俺の間合いに踏み込んできた、完璧な俺が一瞬油断していたところを突かれてしまった。

その気になれば俺の寝首をかくことくらい容易だとでもアピールしたつもりか。


フッ……面白いじゃないか!

甘く見ないでもらいたいな、偶然タイミングが合わさっただけでもう俺を倒した気になられては困る、もうそんな奇跡は起こらないぞ、次はこっちの番だ!

俺は早くクラスメイト達を助けてやらなくてはいけないんだ……


「あの……窪木くん、って言うんだよね?」



えっ!?



ガタン!


しまった! また油断しているところに仕掛けてきた。

慌てていて足が机に当たってしまった。


また意表を突かれてしまった……

このタイミングで俺に話しかけてくるとはな……




さてはここで俺への敵意を表明してくるつもりなのか。

待てよ……すでに周りは洗脳されているんだ、早速全員で俺を潰しにかかるつもりか?



こんなプレッシャー初めてだ……窪木紀文17年の人生で初のピンチといっても過言じゃないだろう。

どうする……まずはふつうに返事をするべきか……


えっと……えっと、ええぃ、とにかく返事だ!


「なっ、なななななななな……何のようだ? 俺は……俺は窪木だ!」



よし、なんとか返事はできた、上出来だ!

多少声は大きくなってしまったが、何一つ違和感のない完璧な返事だった!


その返事を聞いてクラスメイトがドッと湧き上がった。


なんだ、今日はこいつら妙に団結しているな……



「なんだボッキー、すげー緊張して、もっと普通に会話をしろよ」


前の席の仙川が笑いながら妙な事を言ってきた。


緊張? この俺が?

どんな目と耳をしているんだ、この男は……どこをどうみれば俺が緊張しているように見える! そもそも俺が緊張する理由なんてどこにあるんだ!


そうか……


仙川……かわいそうな奴、この男は自身のあまりにも拙い世界観でしか物事を考えることができないあまりに俺の複雑な感情を理解することが到底できないんだ。

説明したって分かるわけがない、生きている世界が違うんだ、笑っていた周りも同じなのだろう、俺の複雑な感情は一生かかってもわからないんだ。


こんな者達に説明している時間はない……


「緊張……そう見えるならそうなんかもしれないな、君の中ではな……」


悲哀だ……最早こんな言葉しかかけてやる事はできない……


「いやいや、誰の中でもそうだわ!」


仙川が畳み掛けてくると周りがさらに盛り上がった。

まさか、この俺を突っ込んだつもりにでもなっているのか?


はっ!? 相戸も笑っている……


まさかこれは全て相戸が仕掛けた罠……?


クラスメイト達を利用して、俺を孤立させメンタルにダメージを与えようとする作戦……


あっ、まずい、相戸と目があってしまった!


「フフフッ、窪木くんって面白いんだね」


お、も、し、ろ、い……?

どういう事だ、俺が何をして、何が面白かったんだ?


ダメだ、全くわからない……

天才である俺の理解を超えている。

周りのレベルが低すぎるとここまで理解ができないものなのか。


「私ね、人前で話すの苦手だから、窪木くんが来てくれて助かったんだ、ありがと」




「へっ?」



ありがとう?


思わず変な声が出てしまった。




礼を言われた?




俺を、狙っているはずの突然現れたこの女が……

クラスメイトや小野寺までも洗脳して俺を陥れようとしているこの女が、俺に礼を言ってきただと?



しかも笑顔で……





ボッキーは産まれて初めて女性から礼を言われて混乱していた。

持ち前の過剰な妄想癖や独特の人を寄せ付けない雰囲気から女性はおろか友達もそれほど多くないボッキーに取って、この出来事はあまりにも衝撃的なことであったのだった。


果たして、これからどうやって相戸瑠夏と接していくのだろうか、それは自称天才のボッキーは知る由も無いのであった。

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