宿を訪ねて3000里
投稿遅くなり申し訳ございません!
現在学生で、テスト期間に入りますので一時的に活動を休止させて頂きます。
6月末~7月の初め頃には再開します。
誠に勝手ではございますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
俺は今宿を探し、いたるところを歩き回っている
宿なんてすぐに見つかると思っていたんだが...
「全然見つからない...」
結構歩いたがどうしても見つからない
本当なら誰かに聞きたいところなんだが、時間的にも人通りが少なく、いるのは危ない感じの人達だけだった
あの手この手と策を考えたが、どれも結局失敗に終わり本当に宿無しの野宿生活をまた送らなければいけない状況になってきつつある
もう、野宿は嫌だぞ
ふかふかのベッドで寝たい...
そんな時、俺に一筋の光が差し込んできた
「あの人、ギルドの場所教えてくれた人...」
そうだ、ギルドの場所を知っていたならこの辺りに住んでいる人なのかもしれない
だったら宿の場所も!
「あ、あの、すみません!」
「ん?あ、はい。どちら様...あ!昼の!」
「はい!昼はありがとうございました。」
覚えててくれてたんだ...
俺なんて道案内した人なんてすぐに忘れちまうぜ
良い人だぁ
「ところでこんな時間にどうされたんです?」
「実は宿を探してるんですけど。全然見つからなくて...っはは。」
「あぁ~!宿は北に集合してるんですよ。こっちは南方面だから反対ですね。」
「それは...うぅ...」
「元気出してください!私が宿まで案内しますよ。」
「本当ですか!でも、それは悪いですし。」
流石に宿までつきあわせるのは悪い
「いいんですよ、遠慮しないで!ただし、私がオススメする宿に泊まって下さったらですけど。」
「それくらいなら、全然構いませんよ!そんな事でいいなら是非お願いします!」
「じゃあ、ついて来て下さい。」
しばらく歩いていると確かに光が沢山見えてきた
反対側は真っ暗だったのに...
運の無さは前世も現世も一緒だな、トホホ...
「そろそろ着きますよ!あ、あそこです!」
彼女が指をさしたのはオレンジ色の屋根の少し丸みをおびた木造の家だった
ここまで歩いてきた道を見ていると全てが木造建築だった
貴族などの家はどうなっているか知らないが見る限り庶民は木造建築が普通らしい
などと考えているうちに着いた
「ようこそ!月影の小人へ!どうぞ中へ!」
「え、あ、はい。」
俺は彼女の圧に流され宿へ入る
「あら、リリア帰ったのね。そちらは連れてきたお客さん?」
リリアという名前のようだ
雰囲気からしてこのおば、
何やら寒気が
ごほん、お姉さんの娘さんのようだ
「うん!宿探してて反対方向に行ってたみたいでね。道を聞かれたからどうせなら泊まってもらおうと思って!」
「リリアも中々商売上手になってきたじゃない。」
「ふふん!」
リリアさんが誇らしそうに胸を張る
「ところで要件は?あと名前も。」
「はい、イツキと申します。夜分遅くにすみません。今から泊めてもらう事って出来ますか?」
「ああ、お安い御用だよ。一泊800ピアね。食事は別料金で、ここでうちの旦那が作ってくれるよ。」
ピアというのはこの世界のお金の単位だ
1ピアが日本でいうと1円だから
...800円!
「あの、800ピアって、安すぎません?」
「ん?そうでもないよ?ここら辺ではこれ位が平均だしねぇ...」
んー、まぁこことは世界が違うしそれ位が普通なのか?
確かに地球でも国によって物の値段の違いはあったし...そんなもんか
「そうですか...じゃあ7日間分お願いします。」
「ま、細かいことは気にしないのが一番だよ。いいじゃないかい、泊れれば。えっと、7日間だから5600ピアだね。」
大銅貨5枚と小銅貨6枚だ
「ちょうどお預かりいたします。はい、鍵。そこに書いてあるとおり203号室ね。2階だよ~。」
おば、お姉さんにそう言われ鍵を見てみると貰った鍵についている気の札に203号室と書いてあった
「今日はもう遅いし早く寝な。明日の朝は家の旦那が腕によりをかけて朝食を作るから楽しみにしててね!もちろん、うちで食べるわよね?」
「あはは、もちろんですよ。楽しみにしてます。じゃあ今日は言われた通り早く寝ます。明日もやることあるんで。」
「はい、おやすみ。」
お姉さんの圧力には弱いイツキであった
「ふわぁ...ベッドだぁ。」
扉を開けるとそこにはベッドがあった
「もう、獣の皮じゃない!」
俺は欲望に身を任せベッドに倒れこむ
やはり日本のベッドのようにふかふかとはいかず、少し硬かった
だが、昨日のベッドと比べると天と地の差だ
最高...
イツキは吸い込まれるように眠りに落ちたのだった
読んで下さりありがとうございます。
評価や感想を頂けると幸いです。
今後の活動の励みになります!
よろしくお願いいたします!