第三話 村までの道のり
多分異世界なんかに行ったら自分の価値観がガラリと変わっちゃう気がしますね。
俺は一回家に帰るために今まで世話になった人たちに挨拶をしていった。
ギルドにはここ一年間ほど依頼を受けないことも説明しておいた。
なんでも半年以上依頼を受けないとギルドのブラックリストとやらに乗ってしまうらしいからな。
色々教えてもらったらしい冒険者の先輩たちにも一応挨拶しておいた。
なんか嫌味っぽいことの一つでも言われるかと思っていたが。スキルの使い方がわかったということを話したらもの凄く励まされた。
どうやら俺以外にもスキルの使い方がわからない。
または発動しないという人が偶にいるらしく、今回の俺のようなことがあるとどんな人でも励ましたくなるらしい。
まぁ、それほどまでに恩恵スキルはその人の人生に関わる物らしいな。
後は武器屋のおっちゃんに薬屋のばーさん、宿屋の女将さんに挨拶をした。
武器屋のおっちゃんには選別に新しい剣を、薬屋のばーちゃんにはポーションを三つほど、宿屋の女将さんには村に着くまでのお弁当を作ってもらうことになった。
なんていうか、前世でもあまり感じなかった人の温かさみたいなのを感じたな。
「よし! これで準備は出来た。
そうだ一応ここから村までどれくらい時間がかかるのか調べてみるか」
俺はインターネットを使いこの街ローガントから今から向かう村ノールドの距離、時間を検索してみた。
街ローガントから村ノールドまでの距離、時間。
距離、約五十キロ 時間 歩き、十時間 馬車、二時間半
歩きだと十時間か・・・。
でもこの体冒険者をやってるだけあってそこそこ持久力あるし足に魔力を込めたら三倍ぐらいのスピードが出るから多分五時間もあれば村には着くだろう。
出発はそうだな・・・八時で大丈夫だな。
「よし、そうと決まれば今日はとっとと寝るぞ!」
俺はまだ六時だというのにベットに入り眠りについた。
「ん、もう朝か」
窓から日光が差し込み鳥の鳴き声も聞こえた。
「飯食ってすぐに出発するか」
階段を下りて食堂に向かった。
「あらおはようソウル君。
これから朝ごはん? いつものシチューでいいかしら」
「はい、お願いします」
女将さんに持ってきてもらったシチューを十分ほどで食べ終わり宿を出ようとしたら女将さんに声をかけられた。
「はい、帰る途中にこれを食べてね」
女将さんはサンドイッチの入ったバスケットをおっれに渡してくれた。
「ありがとうございます。必ず一年後に返しに来ますね」
「ふふ、楽しみに待ってるわ。それと、旦那からの伝言よ。
お前の将来を楽しみにしてる、と言ってたわ」
・・・なんだろうな。前世ではこんな人に優しくされたことがないからちょっと泣きそうだ。
「是非期待しててくださいと伝えておいてください」
「わかったわ、気を付けて行くのよ」
こうして俺は女将さんに見送ってもらいながら宿を出た。
「えっと、後・・・二十キロか、これなら予定より早く着きそうだな」
インターネットで調べた結果は十時間とあったが足に魔力を込めて走る、そして休憩して魔力が回復したら魔力を足に込めて走るを繰り返していたら予定時間の三分の一ぐらいで村までに着く。
「村に着いたら両親に挨拶しておかないとな。
口調が変わったのは・・・冒険者になってちょっとは成長したからってことにしておくか。
それで明日から基本毎日特訓だな」
それから十分程に進んだ場所に倒れている馬車を見つけた。
よく見ると人が数人倒れているのを発見した。
「おいおいまじかよ、大丈夫ですか! 意識はありますか!」
一人一人に声を掛け心臓がまだ動いているかを確認したが残念ながら全員死んでいた。
「この人たちの服装からして冒険者、ランクは装備からしてDやCランクってところかな。
そんな人達が全滅か・・・。馬車の傷跡からしてウルフ系の魔物か。
それもCかDランクの魔物か」
(正直すぐに逃げた方が良い気がするが・・・確かこういう場合は台車にある荷物や冒険者が持っている装備は発見者の物になるんだったよな)
「とりあえず馬車の中を見てみるか」
ソウルは馬車の中に入るとそこには震えて縮こまっている女の子がいた。
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