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十九話 結果は・・・

ブレットガゼルの目つきが変わった。

文字どおり次が最後の一撃になるだろうな。ロウキが負けるとは思はないけど・・・用心するに越したことはないだろうな。


俺はロウキに一応注意しておいた。


「ロウキ! さっきまでのブレットガゼルと同じと思うなよ!!」

「ガルゥゥウウウウ!!」


ロウキはソウルの呼びかけに自信たっぷりに答えた。


ブレットガゼルの方に目を向けるとブレットガゼルが纏ってる魔力が変化した。


「ソウルさん。ブレットガゼルが纏っている魔力に変化が・・・」

「ああ、そうみたいだな。あいつ最後の最後で化けたみたいだな」


スキルの身体強化ではなく魔力を使った身体強化は意外と操作が難しい。

最初体全体に強化することしかできない。

一見それでいいのではないかと思ってしまうがランクの高い魔物と戦うにつれ体全体を強化するより体の一部に使って戦う方が勝率が高くなる。

攻撃力が欲しければ体に纏っている魔力を全て腕と武器に攻撃力が上がる。速さが欲しければ足だけに魔力を纏えばより速くなる。

だが最初に言ったとおり操作が難しい。冒険者だとBランク以上の人じゃないとできる人はかなり少ない。これは魔物にも言えることだ。

だが魔物の場合は人間の様にどうやったら強くなれるかと考える者が極端に少ないので操作できる魔物も極端に少ない。

まぁ、その分魔物には人間とは比べものにならない体の構造をしてるんだけどな。


ブレットガゼルは体に纏っていた魔力を足に集中させた。

そしてロウキめがけて一直線に飛び出した。小細工なしの真っ向勝負。

まさに最後の力を振り絞った一撃と言えるだろう。

だがそれだけでは終わらなかった。

ブレットガゼルは口から火のブレスは吐き自らその中へ突っ込んでいった。

そしてその火を自らの体に纏った。


「・・・ッ!?」

「あ、あれは!?」


俺とレオネは同じ考えに至ったが俺は直ぐにその考えを捨てた。

確かにパッと見あれは属性魔法を武器や体に纏わせるのは難しいってレベルじゃないスキルを持っている者なら別だが高位の冒険者でも出来る者は少ない。

まぁ、それを補うために魔剣や魔槍、魔斧などがあるわけだが・・・。

しかしあのブレットガゼル本当に凄いな。俺は単にロウキによりダメージを与えるために自分の体を燃やしている。

ブレットガゼルに生き延びるという意思はなくただロウキに勝つことしか頭にないようだ。

なんていうか・・・あれだな。敵ながらあっぱれってやつだな。


でも、そんぐらいでやられるほどうちのロウキも弱くないんだよな。


「――――――――――――ガルゥゥウウウウ!!!!!」


ロウキはブレットガゼルが目で追えない速度で横をとうり過ぎた。

次の瞬間ブレットガゼルの体が横に真っ二つに切れた。

ロウキのした攻撃は足の横に魔力の刃を作りすれ違いざまに切り裂いた。


まぁ、結果が分かり切っていたことと言えばそれまでなんだけどな。

今回の結果は単純に二体のステータスの差ともいえる。


でも、ロウキにしては珍しく自分より弱い魔物に敬意を払ったな。

一見ただ魔力の刃で攻撃した風に見えるが攻撃に移る際の体の動かし方は今のロウキに出来る最高の動きだった。


「ふー、終わってみればあっけなかったと言えるかもしれませんがなんというかあのブレットガゼルは凄かったですね」

「その言い方だと最後の攻撃方法がわかったみたいだな」

「はい、最初は勘違いしていましたがわかりました。それにしても・・・まさに捨て身の一撃、といったところでしょうか」


レオネは体が真っ二つになったブレットガゼルを見ながらつぶやいた。


「だな。魔物ながら尊敬するよ」

「ロウキもブレットガゼルから何かを感じ取ったみたいですね」


さすがレオネだなロウキの体の動きもしっかり見切れてるな。

にしても・・・ブレットガゼルの毛全部燃えちゃってるな。確か毛皮がそこそこ高く売れたはずなんだけどな~。

ま、今回は仕方ないってことにしとくか。それに角はしっかりと残ってるみたいだしな。

でも・・・これをギルドにだしたらまた騒がれるかもな。






レオネ

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