第十八話 フラグが立ったぜ!
ロウキの後を追って三分くらいで目的の場所までついたようだ。
「ロウキ! どうやら見つかった、ようだ・な・・・。
へ~、どうやらフラグは立ってくれたみたいだな」
俺達の目の前にはブレットガゼルの強化種がいた。
実際に見たことがないから絶対に強化種だとは言えないが体の大きさ、それに体内にある魔力の量からみて他のモンスターの魔石を食べた強化種だと思う。
「そうですね。見事にフラグが立ってますね。おそらく見た目がそこまで変わらない様子からして強化種でしょうか」
「みたいだな。多分単純な強さだとCランクの上位はあるだろうな・・・。
ロウキ!! 万が一はないと思うが気は抜くなよ」
「ガウ!!!!」
よしよし、いい感じでやる気が出てるなロウキの奴。
しかし、あの強化種のブレットガゼルなんか妙だな。獣系の魔物にしては魔力が多い。
人間に近い体の魔物だったらわかるんだけどブレットガゼルはバリバリの四足歩行だから精々使うのは身体強化ぐらいかと思ってたんだけどそうじゃなさそうだな。
ま、例えブレットガゼルに奥の手があったとしても負けないだろうな。
「ブルウウウゥゥ・・・・・・ブルルウウウウウウ!!!!!!」
「ガルルルルルゥゥゥゥウアアアアアアアア!!!!!!」
お互いに咆哮を上げ真正面からぶつかり合った。
ていうか頭突きをした。お互いに反動を受けて後ろに下がった。
だが強さの差はしっかりと現れていた。ブレットガゼルはロウキより大きく後ろに下がっていた。
お互いに魔力で身体強化はしてないから多分これが二人・・・いや、二体か? の素の状態の強さの差なんだろうな。
「まぁ、よっぽど油断しなければ無傷でロウキが勝つだろうな」
「そうですね・・・でも、ロウキも戦ってる時は主人のソウルさんに性格が似るときがあるので何かやりそうな気がしますね」
「おいおい、いきなりレオネがフラグ立てるなんて珍しいな」
「そ・・・んなことはありますね。でも、立っても大丈夫なフラグなんで安心してください」
それはフラグと言うのか? と、心の中でソウルはレオネにツッコミを入れた。
戦いが始まってから約五分程が経った。
結果だけで言えばロウキが圧勝だが強化種ブレットガゼルはなかなか強かったと思う。
多分Cランクの冒険者が七、八人くらいいないと敵わないんじゃないかな。
スピード、パワー、頑丈さもそこそこあるけどやっぱり持久力が凄いな。
魔物ははるかに持久力があるが魔物同士で戦う場合は人間同士が戦う要領とそう変わらない。
ロウキのスピードはかなりの物だけどそれについていくとまではいかないけど戦闘が始まってから一切スピードが落ちていない。
それにロウキも素のままだと長引くかと思ったのか爪に魔力を込め攻撃範囲を広げた。
ブレットガゼルも全身に魔力を込めてロウキの攻撃を前後のステップでギリギリ躱していた。
ロウキが本気ではないといえ思った以上にやるなあのブレットガゼル。
「思った以上にやりますねあのブレットガゼル。ロウキもかなり楽しんでいるようですし」
「・・・確かにそうだな」
よくよくロウキの顔を見ると笑っていた。
魔力を使ったのも自分の欲求を満たすためってところか。
「でも、そろそろ終わりみたいですね。ブレットガゼルの体力と魔力も残り少ないようですし後一合で、終わりでしょうか?」
「そう・・・でもないみたいだな」
ブレットガゼルの目つきが変わった。
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