第十五話 処刑終了
ポーノの近くに移動した俺はポーノの腹に魔力を込めた拳で軽く殴った。
「がはっっっ！！！！！」
軽く殴ったはずなんだがジョニンの時より思いっきり吹っ飛んでいってしまった。
衝撃を逃がすために自分も後ろに飛んだからってわけじゃ・・・・うん。なさそうだな。思いっきり口から血吐いちゃってるし。
「なっ！ い、いつの間に移動したんだ！？ 動きが目で追えなかった」
どうやら今の一連の動きはモルトには見えてなかったみたいだな。
まぁ、まだＥランクみたいだししょうがないか。
「さ、て、と。ポーノとジョニンは動けないみたいだしこれで後はお前だけだ。モルト」
「っ！ い、いい気にならないでもらいたいね。まぐれで二人を倒したからって調子に乗らない方が良いよ。それに実力では僕の方が二人より上だということを忘れないでほしいね」
ほほ～ここにきて今までの出来事はまぐれだと。
なんというかこんな事を言ってるけど顔は余裕が無さそうな感じだからプライドがそう言わせてるのかもしれないな。
とりあえずかるーくボコボコにするか。
「そういえばさっきはお前が攻めてばっかりだったから今度は俺の攻めな」
「それは無理なことだね。今度を」
「喋ってばかりいると舌噛むぞ」
俺はモルトに斬りかかった。
もちろん本気ではなく最初は目で追える速さで徐々にスピードを上げていた。
「ぐぅ、ま、まだだ！ がっ、く！ な、なんでだ！！！ こ、この僕がお前の速さにお、追いつけ、がっ、はぁはぁ、ないなんてことがあ、あるはずがない！！」
最初の方は俺の剣を防ぐことが出来ていたが次第に防げなくなり切り傷が増えていった。
そろそろ終わりにするか。これ以上嬲っても可哀想なだけだしな。
「もうこれ以上やるのも時間の無駄だし終わらせるぞ」
「な、なんだ、がぁっ！」
俺はモルトが剣を持っている手に蹴りを入れた。蹴りの痛みでモルトは剣を手放した。
当然俺はそれを見逃さずパンチと蹴りで上手い具合にモルトが倒れないようにしながら顔の形が変わってるんじゃないかってぐらいにボコボコにした。
「これで終わり・・・だ！！」
「がぶっ！！」
最後に顔面に回し蹴りを決めるとモルトは気絶した。
ちょっとやり過ぎたかもしんないけど・・・まぁ死んではいないだろう。
周りの冒険者達も俺にやられた三にが気絶したのが分かると歓声が起きた。
俺に感謝する声や称賛する声もあったが中にはもちろんモルト達に賭けていた冒険者もいたので俺への罵声・・・は思ったよりもなく。モルト達への罵声がほとんどだった。
「ソウルさんお疲れさまです。といってもあまり疲れていませんよね」
「まぁそりゃ疲れるような相手じゃないしな。それともしかしたら俺がレオネの傍にいない間に襲ってくるかもしれないから一応気を付けておけよ」
「そうですね。雑魚だよ油断して罠にはめられたとかシャレになりませんからね」
「そういうことだ。とりあえず宿に行くとしよう」
「ソウルさんが以前お世話になったとこですか」
「ああ、腹も減ったし宿で夕食も食べていくか」
「そうですね私もお腹が減ってきちゃいました」
俺達二人は速足で宿に向かった。
ブクマ、評価、感想、励みになるので是非お願いします！
