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第十一話 口だけじゃなくて実力を見せろよ

「ソウルさん、私の冒険者登録も終わったことですし今日はもう宿に戻りますか?

それとも街を散策しますか?」

「そうだな・・・」


レオネからの質問にソウルは少し考え込んだ。


(本当なら宿に行って今日はゆっくり休むつもりだったんだけどまだ昼だし正直夜までが暇だしな・・・とりあえずレオネの提案どうり街を散策するか)


ソウルがこれからの予定を決め、レオネに話そうとしたところで三人のソウルと同じぐらいの年齢の男三人がソウルに話しかけてきた。


「おやおやおや、そこにいるのはクロウリアに捨てられて村に帰ったはずのソウル君じゃないか。なんでここにいるのかな」

「おいおい本当にソウルじゃねぇか。ここはてめぇみたいな弱っちい奴がいていいような場所じゃねぇんだよ!」

「そういうことだ、わかったらとっと村に戻って畑でも耕してろ!!」


上から名前はモルト、ジョニン、ポーノ。見た目は優男、ガキ大将、虎の威を借りる陰険メガネ。

ソウルの過去の記憶によると自分たちにとってアイドルの様な存在のクロウリアといつも一緒にいるのが気に入らず、クロウリアにばれないように嫌がらせをしていたとなっている。


「ふふ、クロウリアに捨てられた負け犬がこんな綺麗な獣人を連れているなんて何かの間違いだろう。どうかなお嬢さん、良ければ僕たちと一緒にパーティーを組まないか」


モルトはいきなりかっこつけてレオネを自分のパーティーに入らないかと誘ってきた。

そんなモルトを見てレオネは眉をひそめ不機嫌な顔をした。

理由は自分のパーティーメンバーを馬鹿にされたからというのとモルト達の厭らしい視線を気持ち悪いと感じているからだ。

他二人も「そりゃいいな、どう見てもソウルはもったいねぇ程の美人だしな」や「そうですね。彼女が加われば丁度パーティーの人数も四人になりバランスが良くなりそうですね」などともうレオネは自分達のパーティーに入るのが決定しているかのように訳の分からないことをほざいている。


その様子を見ている冒険者達の様子は様々だった。モルトがレオネを自分のパーティーに誘おうとしている様子を見て先を越されたと思っている者や、先程ズレンと仲良く話しているのを見て後でズレンから何らかの制裁を加えられるだろうなと憐れむ様な視線を向けている物、ランクがBやCで相手の実力をしっかりと見抜ける者は上手く決闘へといってどのような戦いをするのか見てみたいと思っている者などがいた。


ソウルは目の前の阿保三人をどうするかを考えていた。


(絡んでくるなら俺がこの街にいない間に来た中途半端に実力のある冒険者あたりだと思ってたんだけど当てが外れたな。しっかしなんでこんな自信満々で絡んでくるんだろうな。装備を見る限りランクE、良くてDぐらいのはずなのにな。とりあえず軽く挑発して決闘に持ち込むとするか。そんで大恥かいてもらうとするか)


考えを決めるとソウルは直様挑発を始めた。


「おいおい、何いきなり俺の仲間にちょっかいかけてんだよ。それにナンパなら他でやれよ。レオネを見る目が厭らしすぎて気持ち悪いんだよ、それに息も臭いから近寄らないでくれ。お前らの汚らしいン匂いが移っちまうだろ」


ソウルの言葉にギルド内が一瞬静かになり直ぐに冒険者達大きな笑い声が響いた。よく見ると受付嬢達も小さく笑ていた。

モルト達は少しの間なんで周りの冒険者達が笑っているのかが理解出来ずに困惑していたがソウルに言われたことを思い出し三人とも顔を真っ赤にしてソウルに言い返した。


「ふ、ふざけたことを言わないでもらいましょうか。満足にスキルが使えない君ごときが何を調子に乗っているんだ! おとなしくその獣人の少女を僕たちに渡せばいいんだ!!」


モルトは少し猫の皮がはがれ気味にソウルにレオネを自分達によこせと言ってきた。

他二人も「クロウリアがいねぇと何も出来ない雑魚が強がってんじゃねぇぞ!!!」、「どうやら自分がFランクの冒険者だということを忘れてしまっているようですね」などなどソウルに罵声を浴びさせてくるがそれをソウルは気にせずにもう一回挑発した。


「おいおい、お前らは冒険者だろ。それなら口だけじゃなくて実力で俺からレオネを奪ってみろよ。

それともあれか、本当はそこまで強くないから高圧的な態度をとって奪ってやろうとでも思ってるのか?

もしそれが本当ならいつまで子供のつもりでいるんだよ、

ああでも、お前たちの装備を見る限りお前たち自身もそんなに強くなさそうだし仕方がないのか。

悪いな、俺が少し無神経だったよ」


ソウルの言葉にモルトが鬼の様な形相でソウルを睨み付けてきた。



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