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ちぇんじ  作者: もぐ
6/6

先輩

バスを降り正門へ向かう。

運動部の朝練の声が響いている。

「朝練か...あ、部活見学も兼ねて少し見に行ってみようかな」

教室に行くには早すぎるので声のする方へ向かう。


「サッカー、バスケ、テニス...」

どの競技も私は苦手である。

「やっぱり文化部に入ろうかな...」

『サッカー部:マネージャー1名急募!!』

ふと貼り紙が目に入る。

「ん?マネージャー?」

よく耳にはするが実際マネージャーがどんなことをしているかは知らない。

『運動が苦手な方、サッカー知らない方、誰でも歓迎です!!』

「へぇ...サッカー知らなくてもやっていけるのか...」

気づいたら貼り紙を見ながら1人で話していた。

「おっ、マネージャー興味あるの?」

「うわぁっ!ごめんなさい...すみませんでした!」

いきなりのことでびっくりしてとりあえず謝る。

「いやいや謝る必要ないよ!びっくりさせてごめんね!俺はサッカー部のキャプテンの3年の吉村カズキ!」

うわぁ...先輩の男子生徒...1番話せないタイプだ...。

「あっ、えと...すみませんまた来ます!」

先輩に対して失礼だったのは分かっているが今すぐに逃げ出したかった。

「やばいやばい...先輩のこと無視しちゃったよ。」

自分で耳が熱くなるのが分かる。

ちらりと振り返ると、先輩は笑顔で手を振ってくれた。

とりあえず軽く頭を下げておく。

「大丈夫だ...放課後ね...また行って謝ろう。」

そう自分の中で納得させて教室に向かう。


すでに教室には5,6人の生徒がいた。

「あっ、瀬頭さんおはよ!」

声をかけてきたのは昨日一緒に昼食を食べた女子のうち1人のナナで、他の生徒も小さくあいさつをしてくれた。

「み、みんなおはよう!」

やっぱりぎこちなく笑ってしまう。

相手が女子でも緊張してしまうのだ。

席を間違わないように自分の席に着き、カバンを下ろす。

カバンから書類が入ったファイルを取り出して机に置く。

事務の方に提出しなくてはいけないのだが、昨日は寝てしまい書くことが出来なかった。

黙々と1人で書類を書いていく。

3枚目を書き終えるころにはクラスの生徒はほとんど教室に来ていて、教室はガヤガヤしていた。

「瀬頭さんおはよ!」

この声はタツヤだ。

さすがにちゃんと目を合わせてあいさつしないとな...と思い、あいさつをする。

「山本くんおはよう!」

あれ...今まであんまり顔を見ていなかったが、よく見ると中性的な顔立ちで美少年だった。

「朝早かったのはそれ書くためだったんだね!」

早起きした理由は特にはないがそういうことにしておく。

「あ、うん...。山本くんは毎朝走ってるの?」

とりあえず話を続ける。

「まぁいつもじゃないけど今日は自主練かな...部活に行くことも多いよ!」

そういえば何の部活に入っているのだろうか...。

「もしかしてサッカー部とか?」

「そうだよ!よく分かったね!」

あまり長話はできないタイプなのでここらへんにしておく。

「そうなんだ...じゃあこれ書かないと...これ。」

「邪魔してごめんね!」

作り笑いをして書類の続きを書く。


「あれ...これ印鑑いるじゃん...」

印鑑を押し忘れていたことに気づくが、提出期限は明日なので安心する。

チャイムがなると同時に担任の杉上先生が教室に入り、あいさつをする。

これは以前の学校と変わらないことだ。

ざわざわしながら朝の会が始まり、2,3分で終わる。

「みんなちゃんと話聞いてるのかな...」

ふと疑問になり1人でつぶやく。

朝の会が終わると昨日と同じく皆それぞれ動き出す。

1時間目は初めての移動教室で不安だったが皆の流れについて行った。

授業も転校生だからといって何か配られたりするわけでなく、皆と同じようにノートをとるよう指示されただけであった。

昨日と同じように午前の授業を終え、モエたちと昼食を食べ、午後の授業が始まる。

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