朝の散歩
生活用品は24時間で開いてるらしく、生活用品売り場以外はシャッターが閉まっていた。
「時間あるし、入ってみるか...」
売り場には店員がレジに1人と、ジャージ姿の男が飲み物コーナーにいるだけだ。
「薬...お菓子...飲み物...コンビニよりは充実してるかな」
ぼそぼそ独り言を言いながら店内を1周する。
何も買わないのも失礼なのでコーヒーを買いに飲み物コーナーに行く。
「あれ?瀬頭さんじゃね?」
誰だよと思って見てみると、ジャージ姿の男だった。
「ん?」
「やっぱり、瀬頭さんじゃん!おはよう!早いな!」
うわぁ...出た出た隣の席のタツヤだ。
「おはよう山本くんも早いね。ランニングとか?」
「そうそう!朝走ると気持ちいんだ!」
「そか...んじゃまた。」
足早にレジに向かう。
人と話すのがただでさえ苦手なんだから男子ならそれ以上だよ...。
ピッ。
「98円です。シールでよろしいでしょうか?」
無言でうなづいて100円を出す。
「2円とレシートのお返しです。ありがとうございましたー。」
タツヤの方を振り返ることなく店を出る。
「少し早起きしすぎたかな...。始発のバスまであと15分もある。」
家の周りは、ショッピングモールがあるだけで他に何か店がたくさんあるというわけではなく、アパートやマンションが立ち並んでいるだけだ。
「バス停まで行って座って待っとくか...。」
そう言って携帯の画面を見ながらバス停へ向かう。
ー新着メール1件ー
「あれ、いつの間にメールが...しかも朝早くから」
慣れた手つきですばやくメールを開く。
『From:母
おはよう。朝早かったのね。朝ご飯ちゃんと食べた?帰り遅くなる時はメール入れてね。』
朝ごはんくらいで心配かよ...返事をするのもめんどうだか一応
『了解』
と返事はしておく。
15分は意外に早く過ぎてしまい、始発のバスが来た。
乗客は誰もおらず車内はとても静かだ。
バスがゆっくり動き出し、運転手のアナウンスが聞こえる。
特にすることもなく外をぼんやりと眺めていただけだが、朝早いので道が空いていたのか、バスはすぐに学校についた。






