第3話 「私の幼なじみ」
まさか…この私が柊也先輩とLINE交換するなんて!
「あのっ本当に良いんですか?」
「何が?」
「私なんかと交換しちゃって」
少しだけ聞いたことある。先輩に彼女さんがいるって。
「逆に何がいけないの?」
「え……………」
そう聞かれたら答えられないけど…ねぇ?
「おい」
すると突然、後ろから肩を掴まれた。
こんな良いときに誰なんだよぉぉぉ!?
「って…雄大!?」
雄大は私の幼なじみ。最近ちょっと女子に人気なんだけどそれが腹立って腹立って仕方ない。
「お前そいつ誰なんだ」
ちょっと!?先輩に向かってそいつは無いでしょ!
「雄大!この人は先輩だよ」
「ふぅん。だから?」
えぇぇぇぇぇ!?コイツ根性が腐っとんか!?さっさと謝りんしゃい!
「今日がお前ら初めてか?話すの」
雄大の言葉づかいのせいで私まで嫌われちゃうよぉ!
「そ、そうだけど?」
「じゃあ何たくらんでんの」
たくらんでなんか無いし!
「そういう目的じゃ…」
「ちげーよ。菜摘に聞いてんじゃねぇ」
じゃあ…先輩ってこと?
「君は何か誤解してる?オレは菜摘ちゃんが傘を返しやすいように連絡とれるようにしただけ」
菜摘ちゃん…自分の名前が一気に好きになった!
「それでも初めて話す女と馴れ馴れしくしすぎじゃねーか?」
「そうかな」
えぇ!?このままじゃLINE交換やめようかということになるんじゃ…!
なんとしてでも阻止せねば!
「先輩!コイツのことなんて無視してください」
「いいんだ。雄大くん?君に聞きたいことがあるんだ」
「なんだよ」
先輩?
「好きなの?菜摘ちゃんのこと」