12月25日 第十七章「Christmas in the snow」
今日は12月25日。クリスマスだ。
去年はいろいろあったっけ。あまりいい思い出はない。それだけど私は彼のもとに今日も向かう。
「青坂くん、今日は一緒にいよう」
私は彼のもとに腰をかけた。彼は相変わらず眠りつづけていた。
私は悲しくなって目を閉じた。鼻の奥がツンとする。
「起きてよ、ねぇ」
もうそろそろ一年間起きないことになる。
「あ、そうだ。今日はケンタッキー買ってきたよ」
私はかばんからまだ暖かいチキンを取り出した。それをベッドの脇の机に置く。いい匂いが部屋を満たした。
私は立ち上がって窓の外を見た。遠くではクリスマスツリーの電飾がみえた。あぁ、去年は見たっけ。
今はもうそんなこと思わない。ただ、青坂くんに目を覚ましてほしいだけだった。
その時――
「香澄……?」
声がたしかに聞こえた。私は振り返った。
「美味しそうだね、それ」
「青坂くんっ!?」
私は青坂くんに飛びついた。
「香澄……久しぶり」
「青坂くんっ……! 心配したんだよ」
久々の彼の感触だった。あぁ……。
「ごめんね、心配かけて。僕、腹が減った」
「そ、そっか。一年間何も食べてないもんね」
「一年間かぁ。長いね」
彼は窓の外を見ながらいった。外はいつの間にか雪が降っていた。
「そうだね、長かったよ。ずっとずっと、待っていたんだから」
「そっか、ごめんね」
「ううん、いいよ。さ、たべよっか」
「うん」
私たちは静かに雪降る中、身を寄せ合ってチキンを食べた。
「あのさ青坂くん」
「何?」
「助けてくれて……ありがとね」
それが、私たちの最高の『クリスマス』だった――
――fin――
こんにちは、まなつかです。
去年から連載を始めましたが、なんとか完結することができました。
ふぅ……
なんかものすんごい鬱展開になってしまいました。
予想外です。ですが、なんとか最後は何時も通りに終わらせることができました。やっぱりハッピーエンドですよね!
ちなみに、ホワイトデーものは書く予定がありません。これからは夏物を書いていく予定です。そちらもよろしくお願いいたします。
それではまたお会いしましょう!




