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12月30日 第十五章「めをさませ」



 目を覚ますとそこはドラマかなんかでよく見る白い天井だった。私はどうしてここに運ばれてきたのかを思い出すのに数秒を要したが、頭がはっきりしてくるに連れて、バスでの出来事を思い出していく。

「誰かっ!?」

 私はがばっと起き上がる。ベッドの脇に佳奈が座っていた。

「先輩! 目を覚ましましたか!?」

 佳奈が私に飛びついてくる。

「うん……大丈夫」

「よかった……! 本当に、よかった……」

 佳奈は私の腕の中で静かに泣いていた。私はふとかばってくれた人のことを思い出す。

「青坂くんは……?」

 すると佳奈はするりと私の腕の中から離れていった。そして

「まだ、目を覚まさないんです。病院に運ばれてからすぐに手術室に運ばれましたが……」

「そうなの!?」

 私は飛び起きた。まだ少し足が痛むが気にしていられない。私は病室をでた。

 病室をでるとそこは病院そのものだった。本当に病院にいるんだぁ。

 私は両親を見かけた。ロビーで話し込んでいる。気付かれないようにそっと横を抜けた。見つかったら寝てろって言われるに決まっている。

 私は後ろを付いてくる佳奈に訊ねた。

「青坂くんの病室はどこ?」

「そこです」

 私はそっとその扉をノックしてそっと開ける。幸い、誰もいないようだった。私と佳奈はするりとその中に入る。ミッション成功。

 そしてベッドに寝ている青坂くんを前にした。青坂くんは口に呼吸器を付けていた。

「青坂くんっ!」

 私は青坂くんを揺すった。しかし、彼は起きなかった。

「青坂くんっ! 青坂くんっ! 起きてっ!」

 私の声はだんだん悲鳴に近くなっていった。私の隣で佳奈はすすり声を上げている。青坂くんは蒼白な顔でただただ眠っていた。

 私は次第に諦めていった。

 私は静かに病室をでた。

 ――なんで、目を覚まさなかったの?


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