12月25日 第十一章「でんしょく」
私たちはファミレスを出た。私が偶然傘を鞄の中に入れていたので、それに二人で入って歩く。
雨の音しか聞こえなかった。
私たちは肩を寄せたまま駅の軒下に入った。
そして駅の反対側に行く。
「見て! 青坂くん!」
「わぁ……」
私が指さした先には大きなツリーとそれに飾り付けられた電飾だった。ちかちかと点滅を繰り返している。私はそれに見とれてしまった。
「香澄……」
彼がそっと私の肩を抱く。私も身をゆだねた。彼の体温が少しだけ感じられる。
「青坂くん」
私は白い息を吐き出しながらそういった。
「好きだ」
彼も同じようにそういう。
「私も」
私は今度こそと思い彼と向き合った。私はそっと目を閉じた。聞こえるのは雨の音に混じるクリスマスソング。
「んっ……」
彼の暖かい唇が私の唇と重なった。その瞬間、心臓がどくんと大きく打った。
数秒後、彼からそっと離れる。息が出来なくて苦しかったのだ。
「あのさ、私今すっごい幸せ」
「そっか、僕もだよ」
私と彼は電飾が輝きあう中、笑った。
なんだか、こうしていると全てが幻想に思えて仕方がなかった。
そして少ししてもう一度キスをしようとしたとき、電話がかかってきた。私は彼に少し合図を送ると鞄から携帯を取りだして確認する。佳奈からだ。佳奈は事情を知っているんだし、邪魔はしないはずだが……
「もしもし?」
「あぁ、香澄先輩ですね。落ち着いて聞いてください」
その言葉に心臓がひやりとする。何かあったのか? 私の様子が変わったのを見て、彼もそっとよってくる。
「愛美先輩が、先ほど飛び降り自殺をしました」
こんばんは、まなつかです。
正直に言いますと、鬱展開にこれからなっていきます。苦手な方はご注意を。
それでは、




