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みんなキレイになーれ  作者: きのせい
16/26

料理


そのままマイクさんと私はそれぞれの部屋へ入った。


部屋は、6畳位でベットと小さなテーブルと椅子があるだけだったけど、よく掃除されていて居心地が良かった。廃業しているはずだけど、ベットのシーツは綺麗で清潔だった。

あの御者さんの言ったことは、ホントだった。

でもマイクさんが知り合いだったなんて、世の中は、ホントに狭いなあ!



この世界も悲しいことばかりだなあ



あ~疲れた。

私は、マントと鞄をテーブルに置いて

そのままベットに横になった。

子猫もベットに入ってきた。


子猫がいてくれて良かった。

そんなことをふと思った。





いつの間にか寝ていた。

案外私は図太いらしい。

どんなとこでもすぐに寝てしまう。



寝たらお腹がすいた。

何か温かい物が食べたいなあ。

馬車でパンやお握りばかりだったから。

実は、買い物袋の中の物、

食べても減らないんだよね。

びっくりしたよ。

食べたはずの食パンが、また増えてたんだから!

増えたというか?元に戻る?

そんな機能があるとは!


馬車の旅でも

最初は、大事に大事に少しずつ食べてたんだよなあ…そしたら、減らないことに気付いて安心して食べるようになったんだよ。あの時はホント嬉しいかったなあ。減らないー!元に戻ってる!って叫びそうになった。



それにいっぱい調味料を買ったから、

この世界でも日本食が食べられるのはすごい!嬉しい!



これで飢え死にはしないかな?

食べる物がないのは、一番メンタルをやられるからなあ…


後は住む所があれば何とか生きていけるだろう!


この世界に来て、生きていけるかすごい不安だったけど

少し不安が減ったのは大きいよ!




外に食べに行くのも面倒だし、

何か作ろうかなあ

日本にいた頃は、お金が無いから殆ど自炊だったから、作るのは平気だし。



お婆さんの分とマイクさんの分も

作ろうかなあ?

コミュ障の私でも

頑張れば何とかなる!


よしそうしよう!



私は一階に降りて行った。

子猫も付いて来た。




お婆さんは、ダイニングテーブルの椅子に座ったまま、ぼーとしていた。目が腫れている。



あえて私は、元気よくお婆さんに声を掛けた。


「あの、食事を作りたいんですけど、

台所をお借りしてもいいですか?」


お婆さんは、

「構わないよ。何でも使っておくれ。」と言ってくれたので、

「ありがとうございます。お借りします!」


私は、台所に入って行った。



う~んさて、何を作ろうかなあ…

お腹が空いてるから、

直ぐに出来るもので温かい物?


トマトスープにしよう!


鍋を借りて、にんにくの微塵切りを炒めて、水を入れて、日本で買った、にんじん、じゃがいもを細かく刻んで入れて、リナちゃんから買ったアマトを潰して入れる。(味はトマトだった。)後はコンソメを入れて塩で味を整えて煮るだけ。

玉ねぎも入れたいけど、確か猫は食べちゃいけなかったような気がするから、今回はなしで。

あとは、ウィンナーをフライパンで炒めて、

お皿にのせて、食パンを籠に入れて出来上がり。




ダイニングテーブルにお婆さんの分と一緒に並べた。

子猫には冷ましてお皿にのせた。


「あの、沢山作ったのでよかったら、食べてくれませんか?」

とお婆さんに聞いてみた。


「いいのかい?」

お婆さんは、驚いている。


「はい。どうぞ、お口に合うか分かりませんが、食べてくれると嬉しいです。」


「ありがとう。いただくよ。」

お婆さんは、スプーンでスープを食べてくれた。

「美味しいね。このスープ!」

「良かったです。パンもどうぞ。」

「これパンかい!すごい柔らかいね!

こんなパン初めて食べたよ!

このウィンナーも美味しいよ!」


お婆さんは、とても美味しそうに食べてくれた。作って良かった。

私も食べよ!

あ!美味しい!

お腹が空いてるから余計に美味しく感じる。


二人で黙々と食べた。

「あの、マイクさんはどこにいますか?沢山作ったのでマイクさんも食べてくれないかなあと思うんですけど?」


「マイクさんは、随分前に出掛けたよ。」


「そうですか、残念です。」

「本当に残念だよ。こんな美味しい料理食べれないなんて!」

お婆さんは、とても料理を気に入ってくれたみたいだ。笑顔になっている。

良かった。少しは、元気がでたかなあ。



すると、丁度

玄関からマイクさんが帰って来た。


「お帰りなさい。料理を作ったんですが一緒に食べませんか?」


「いいのか?」


「はい、今用意します。」


マイクさんの前に温めた料理を並べる。

「どうぞ」

「ありがとう、いただくよ。」


マイクさんは、

スプーンで、スープを食べると

「うまいなあ!」

と言って、いっぱい食べてくれた。

一人暮しだったから、

こうやって、作ったものを美味しく食べてくれると嬉しいもんだな。

また作ろう!





二階の部屋に戻り、

自分にクリーンをかけた。

服も体もキレイになった。

本当に便利だなあ!


でもお風呂には入りたい。

住む所は、絶対お風呂の有るところにしよう!


そのままベットに横になる。

明日どうしようかなあ?

お婆さんは、部屋代は


いらないって言ったけど、やっぱりタダはまずいよね~

でもあんまりお金は、使いたくないし、

私でも稼ぐ方法ないかなあ?

砂糖を売れるかなあ?

王城で食べたクッキー美味しくなかったから、多分、砂糖は貴重品だと思うんだけど、売れたらお婆さんに宿代を払えるし…

明日、売ってみよう!



子猫がまたベットに入ってきた。

一緒に寝るの?

そうか、寝よっか。

なんだか安心するなあ。

私はすぐに寝てしまった。

やっぱり図太い。







その夜、マイクさんは出かけて、

朝まで帰って来なかったらしい。
































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