訳あり勇者 2話 剣士クレド
訳あり勇者とは
この物語は3人の英雄が魔王を倒した後のストーリー。
…の筈だった。3人の英雄が魔王を倒した…?本当に真相はそれで正解なのだろうか?
トリスト『どうしよう…剣士の名前が分からないから探すのが困難だ…』
街の周りには大勢の人が居て、剣士を探すのはとても困難な状況だ…でも何もしない訳にはいかない、人に聞いて行かないと…
トリスト『あの…すみません!聞きたい事があって…』
街の人【ん?どうかしたかい?】
トリスト『この街に居る剣士を探しているんですけど…何か知りませんか?』
街の人【何を言ってるんだい?剣士はこの街で一人だけだ。】
トリスト『あ』
そうだ…ベリテさんが【剣士は一人だけ】って言ってたの思い出した…だから念入りに【一人だけだ】って言ってたのか…
街の人【あれ…君見ない顔だな…もしかして余所者か?】
トリスト『え?あ、はい…この街に来たのは初めてで…』
街の人【そうなのか!?だったら知らなくて当然だったな…本当にすまない…】
トリスト『いえ!とんでもないです…!』
街の人【とにかく…インサニアへようこそ、剣士を探しているんだね?それなら大丈夫だ。私が案内…】
???『お呼びの剣士は俺のことか!?噂されてる気がして来てしまったぜ!』
街の人【…する必要は無かったみたいだな…】
トリスト『え?』
トリストが後ろを向くと、そこには物凄く満面な笑みでこちらを見つめている……えっと……なんだこの人…
トリスト『え…もしかして彼が例の…』
街の人【そうだ、君の探している剣士だ】
………………
トリスト『…えっと…凄く熱意がある人ですね…!名前はなんて言うんですか?』
クレド『良い質問だな!俺の名前は!クレド・タリオニス!この街で1番かっこいい戦士だ!』
………さっき自分で剣士言うてたやん…………
クレド『ておい!何処に行く!』
トリスト『すみません…人違いだと思いまして…それに剣士じゃなくて戦士になってるし…』
街の人『おいクレド、この人は他所の場所から来た人物だ、いきなりお前のそんなテンションに追いつける訳が無いだろ。』
クレド『そういうもんなのか…?…さーせん…俺はこういう性格だから少しは大目に見てくれよ♪』
トリスト『………私の名前はトリスト・トイフェルです。宜しくお願いします。クレドさん。』
クレド『トリスト・トイフェルって言うのか。トリストの方が読みやすいからトリストで呼ばせて貰うぜ!』
…………確かに読みやすいけれども…
クレド『それにしても俺を探してるって事は…………あんた見る目があるな!トリスト、ここでは邪魔になるから一旦家に来いよ!』
確かにここで話していると人々の邪魔になるだろう
トリスト『え………でも………』
クレド『気にするなって!自分も家に二人しかいなくて寂しいからよ…三人になれば賑やかになるだろうさ!』
…ん?三人になる?
クレド『それじゃ行くぜ!俺の家はあっち方向だ!』
トリスト『ちょっと待ってください!!えっと…あの!おじさん!教えてくれてありがとうございます!』
街の人【おう!気を付けて行くんだぞ!…それにしてもクレドがあんなに喜ぶなんて久しぶりに見たな…あのトリストと言う少年…何者だ…?】
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クレド『おーい!遅いぞトリスト!』
あんたが早過ぎるんでしょうが…
トリスト『やっと追いつきましたよ…私はこう見えて体力が無いんですよ…』
クレド『あぁ…悪いな…他所から来たって事を忘れてたぜ……そう言えば、あんた何処から来たんだ?』
トリスト『……………』
記憶を失っている為何処から来たのかは分からない……ベリテさんから来たって事を話すか?でも魔族の事を話しても大丈夫だろうか…………
トリスト『何処から来たかは自分でも分かりませんが…行く所が無い私にある人が私をここに移動させてくれたんです』
クレド『………ほう…凄く良い人じゃないか!…あれ?何処から来たかは分からないってどう言う事だ?』
トリスト『私を移動させた人が言うには…どうやら自分は記憶を失っているみたいなんです』
クレド『そうなのか……それは災難だったな…』
トリスト『ですがその人が言ったんです。この街に居る剣士が自分を助けてくれるって。まさに今の状況ですね』
クレド『すげぇな!まるで預言者だ!………おっと話をしていたら着いたな。ここが俺の家だ。案外近いだろう?二人しか住んでないから他の所よりは少し狭いかもな…そこは我慢してくれ』
トリスト『いえ…行く所が無い私に家まで連れて行って下さるなんて…凄く感謝していますよ!』
クレド『おうおう…良い奴過ぎて接し辛いぜ…』
最初は変な人だと思ったけど…なんだ…困っている人を助けてくれる凄く良い人じゃないか…!
クレド『おい、今変な奴って思っただろ。』
トリスト『!?!?』
訳あり勇者 2話 完
前回の生存キャラ
トリスト 生存
ベリテ 生存