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サヨナラの朝

サヨナラの朝

作者: 春日陽一

目が覚めた朝

今日はサヨナラの朝。

隣にはもう、

愛しい君の温かさはない


並んだコップ

テーブルの上には

君が最後に用意してくれた朝食

一枚だけのトースト

一枚だけの白いお皿

ふと、寂しさが込み上げてくるけど

僕はグッと我慢する


ガチャ

そんなときに聞こえたドアの音

いないはずの君が

まだ僕のテリトリーにいる証拠

僕は慌てた

急いで、君がいるドアへと走った


出ていこうとする君

必死に見れたのは

寂しそうな君の後ろ姿だけ

僕の存在に気付きながらも

君は無視して外へと出た


サヨナラするのはわかってる。

このサヨナラは止められないことも

もちろん、わかってるよ。

だけど、

だけど、最後に一言だけ

一言だけ言わせてくれっ!


一瞬、少し振り返った

黒い綺麗なショートヘアがかかる

君の小さな肩に

僕の重たい一言

出ていこうとする君にとって

鎖になってしまう最後の一言



「またね」



僕は引きつった笑顔で

君を見送った。




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― 新着の感想 ―
[一言] 切ないですね。 鎖になる言葉・・・ 自分に都合がいいだけだってわかっていても、口にしたくなる言葉は自分にもあります。 なんだか昔のことをふと思い出したりしていました。 ありがとうござ…
[良い点] こんな短い文でここまで「おお!」と感動したのは初めてです!ありがとうございました! [一言] 次も期待してます!!
2010/02/05 22:27 退会済み
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