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作者: はくびしん

 さわやかな森の中、軽装で軽やかに歩みを進める男がいた。彼は営業マンとして働いており、日々多種多様な人々と交流を深めている。そのような生活の中には楽しいこともあればつらいこともある。最近は激務が続き、なかなか体を休める機会がなく、休む暇なく仕事をしていく中で何を目標として働いているのかわからなくなっていった。そこで、気分転換と初心に帰るといった意味合いを含めて森林浴をしようと考えたのである。森林浴をするにあたって無駄なものは可能な限り排除しようと考え、森に入る前に食事をしっかりととった。最近は冷凍食品やカロリーバーが多かったため、温かい食事は久しぶりであった。多く頼みすぎたためか、すべてを食べることはできなかったがおなかを満たし、森林浴へと向かった。人気のスポットであると聞いてこの森を選択したが、見渡す限り人の姿はなかった。人気といってもニッチな層に対してであったかと、一人で納得しながら森の中へと入っていった。ほとんど整備されていない道を歩きながら、鳥のさえずりや木々の隙間から差し込む日差しなど森の雰囲気を楽しんだ。快調に進んでいたがさすがに疲れが見えてきたころ、森に入ってはじめての人を見かけた。挨拶でもしようかと近づいてみたが、非常に疲れているようでこちらに気づくことなく去って行ってしまった。またしばらく森の奥へと進んでいくと手頃そうな場所があった。いくつか準備をし、少し高いところにある石に腰を掛け、空を見上げた。葉が生い茂っており、完全には見えないもののきれいな青空が広がっていた。空がこんなにも青かったことに久しぶりに気づいた。子供のころを思い出し少し感傷的になったが、気分をすぐに切り替えた。森の空気を胸いっぱいに吸い込み深呼吸を数回すると、決意を決めたかのように立ち上がった。準備は万端である。ここから新しい人生が始まるのだ。彼は輝かしい未来を胸に、力強く前へと踏み出した。

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