恩人
前回、パーソンとの戦闘で意識を失いかけたコウジ、死んだと思われたが……
さっきの攻撃の負荷のせいか、俺は倒れそうになっている。意識も遠のいてきた。
「おいっ!誰かいるぞ!」
「誰だ?!」
「子供だぞ!」
「おーい、大丈夫か?」
「うるせぇなぁ、少し静かにしてくれ……」
転生したら一瞬で死んじまったな……
こうして俺はその場に倒れてしまった。まだ死んで無さそうだが、もう無理だな。完全に意識が飛んだ。死んだと思った。しかし、まだ生きているようだ。
「目が覚めたみたいね。」
目の前にいるのは美人だ。どうやら俺は死んでいたようだ。
「ここは天国ですか?」
「バカじゃないの?ここは王都のワームよ。」
「つまり、俺は生きているということですね?」
「まあ、瀕死だったけどね。」
俺は生きていて、誰かに助けられ、ここに居る。で、助けてくれたのは目の前の美人、ここは王都。
「そういえば、あんた名前は?」
「俺は佐藤康二です。」
「へぇ、変わった名前ね」
この世界には相手の名前を侮辱するのが礼儀なのだろうか。
「あんたこそ名前は?」
「私はアイリス=ドラゴネス」
この世界、アイリストいい、みんな厨二病チックな名前だな。
「サトウコウジ、あの夜、森で何があったの?」
パーソンを倒した日のことだろう。
「まだ子供なのに、あんな魔物を倒すなんて。」
パーソンはそれなりの魔物だったらしい。
「なんと言うか、思いっきり殴って、蹴って、倒したと思ったら後ろから刺されて、最後に頭突きしたら、意識が飛んだ」
「原因はそれね。」
なんのことだろうか。倒れていた理由か?
「あなた親は?」
転生して1番聞かれてはならない質問ランキング第1位だよ?この質問。
「いない」
少しクールぶって痛いが仕方ない。
「そう、ならうち来る?」
「うちってパーティのこと?」
「そうよ?」
魔法も使えない俺が居て意味あるのかな。
「俺、魔法使えないし、役に立たないと思うよ?」
「えぇぇぇ!?あの魔物を魔法を使わずに1人でたおしたの?」
昨日の言葉は撤回。俺には隠された力がある。
「そうだ。で、アイリス、助けてくれて……って、気絶してる。」
アイリスが起きるまで数分待った。
「冒険者パーティとか入る方法は?」
「まず学校に行って、最低限の戦闘能力を身につける。」
げっ、学校があるのかよ。と思いつつアイリスの話は続く。
「そして、ギルドで1番下のランクFランクになるための試験を行う。」
「というわけで、あなたには学校に行って貰います。」
最悪だ、学校なんて文字が違うだけで地獄だろ!まぁ行かなきゃ生きていけないな。行くしかない。
「分かりました。学校に行きます。」
第2話「恩人」
この度は「脳筋の戦い方まにゅある」を読んで頂き誠にありがとうございます。
次回もお楽しみに!