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第2話 入学

 家を出た俺は全速力で走っていると疑問を持つ。


 ………なんか俺の足速くね?


 そう。とても身長140㎝未満の足とは思えないほど足がとても速い。多分、高校の頃、俺の足の速さと同じかそれ以上の速さで走っている。………身体強化でも使ったか俺?


 身体強化とは俺が唯一、異世界で使えた魔法で、名前の通り身体能力を向上させるものだ。しかし、地球へ戻ってきて一度も使っていない。まぁ、使う時間が無かっただけだけど、そもそも、地球で魔法を使えるのか?


 俺は試しに身体強化の魔法を唱えてみる。


「うぉ!!??」


 使ってみると俺の身体が軽くなり、更に足が速くなる。あ、やっべ、車抜いたわ。………素で身体能力高いのに、身体強化も合わさると超人になるな。ちょっと倍率下げよ。

 身体強化の倍率を3倍から1,5倍ほどに下げる。おぉー!!これくらいがちょうどいいな。多分だけど、俺もしかして身体強化使ったら世界取れるんじゃね?


 そんなことを思っていると俺が入学する櫻庭中学校の校舎が見えた。この身体のお陰で意外と早く着いたな。校門も見えたし後は歩いても大丈夫かな。


 そうして、俺は校門をくぐり、下駄箱の近くに飾られているクラス表を見てみる。………あ、あった2組か。

 ここ櫻庭中学校は10年前に出来た新設校で中々大きくて一学年4クラスある。記憶によると、俺ら日原家は、俺の小学校卒業と同時にお父さんお母さんの仕事の都合で静岡に引っ越したばかりのため、友達は現在一人もいない。………仲良くできる子が居ればいいのだが。

 高校の時は陰キャと陽キャの半々の存在だったためそこそこの友達は居たが、女子になった中学でも友達は出来るのかな。


 俺は心の中でそう考えながら校舎へと入って行った。ちなみに何だが、めちゃくちゃ視線を浴びていた。まぁ、仕方がないと思う。なんせこんな銀髪碧眼の美少女なんてそうそういないからね。ほとんどの子が黒目黒髪だし茶髪もごく一部だしね。




◇   ◇   ◇   ◇   ◇




 1-2のクラス教室の前に立つととても緊張して来た。中からは人の喋り声が聞こえている。もう既にグループが出来上がっているのだろう。早いな~と思ったが当然だった。

 何故ならこの学校に来る人ほとんどが近くの小学校から上がってきているため、グループが出来ているのは当然だ。


「………自然と入ればいいよね。うん、自然に」


 そうしてクラスのドアをそっと開ける。しかし、ドアを開ける音が元々からうるさかったので、自然に入る事が出来ず、クラス内の全員の視線が俺へ向いているのを感じた。

 で、ですよね~。やっぱ目立ちますよね。てかそこの男子共!何熱い視線送っているんだよ!一目惚れしてんじゃねぇ!分かるけど!………女子になると視線に敏感になるって本当だったんだな。


「「「「………か」」」」

「ん?」

「「「「可愛い!!」」」」


 すると近くにいた女子グループが俺へ近づいてきて、そしてドアを背に囲まれた。


「ねぇねぇ!どこから来たの!」

「可愛い!それ地毛!」

「体ほっそ!手小っちゃ!もう可愛い過ぎ!!」

「はぁ~癒されるわ~」

「え、あ、ちょ、あ、あの」


 急に来られて自分より身長の高い女子たちに囲まれ、急に話しかけられた俺は委縮してしまった。よ、陽キャ過ぎだろ!初対面なのにこんなに話しかけられるのか。陽キャ恐るべし。


「ねぇねぇ転校生!?」

「え、あ、はい。3月に引っ越してきたばかりです」

「そうなんだ!どこから来たの?」

「えっと、ふ、福岡からです」

「そんなに遠くから!大変だったね。えらいえらい」

「え、あ、あの頭をなでなでしないで下さい」

「ずるい南海!私もする」

「あ、あ、あ、」


 しどろもどろになりながらも質問に答えていると、急に頭を撫でられ始める。あ、え、ちょ………あ、なんか嬉しいかも………は!?何考えているんだ俺!これでも精神年齢22歳だぞ!いくら身体が小学生並みだからって変な事考えるな。………それとも身体が精神と同じになろうとしているのか?


 頭の中で色々考えている中も俺の頭なでなでは続いていた。………あれ?撫でている手、四つに増えてね?

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